振り(ふり)は、袖の袂の開いている部分のことです。 袖付けの下の部分になります。
男性の着物には振りがありません。 代わりに開きのない「人形」というものがあります。
振袖
振袖は、袖丈の長い着物ですから、当然振りも長くなります。 長い振りをひらひらとさせて歩く様子は華があるため、若い人向けの着物という事で「振袖=ミスの正装・盛装用の着物」ということになっています。 七五三の女児の晴れ着も、袖丈の長いものが多いですね。
袖振り合うも多生(他生)の縁
「袖振り合うも多生の縁」ということわざがありますが、ご存じですか?
これは『道ですれ違った時に、知らない人と袖が触れることがあるが、そんな些細なことも「前世」からの因縁がある。』という意味だそうです。
この「袖振り」って、私は和服の「袖の振り(名詞)」というイメージを持っていましたが、そうではなくて、「袖を振る(振れる)」という動詞的な「振り、合う」ということなんですね? 今日気が付きました!
前述したとおり、男性には振りがないのですから、「和服の振り」だと女性同士の縁・出会いに限定されちゃうし~ そもそも、もとは仏教由来の言葉のようなので、「袖を振り、合う」ということなんだろうなと(苦笑)
多生(たしょう)は「他生」とも書くようです。
- 多生は何度も生まれ変わること。
- 他生は前世のこと。
いずれにせよ、「袖が触れるというような偶然でさえも、生まれる前からの深い縁によって起きているのだから、出会いは大事」という意味なのだそうです。
長襦袢と着物の振り
長着(きもの)の袖幅と襦袢の袖幅が合っていない。 もしくは、きものとコートの袖幅が合っていないなど、振りから中に着ているものの袖が出てきてしまうことがあります。
本来はピタっと収まるように寸法をとって誂えますが、リサイクル品だったり、裄丈を変えてしまっていたりすると、こうしたことが起こります。
振りから出て困る時には、袂に錘を入れたり、丸みの内側で着物と襦袢(またはコートと着物など)を安全ピンで留めてしまうと良いです。
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