「単帯」と書いて「ひとえおび」です。
かつて昭和の時代に、夏の帯として人気を集めた帯だそうで、垂の返しがない全部「1枚」の帯のことを言います。
ひとえ帯(単帯)について
返しがないので、ちょっとペランとするため、博多織やつづれ織といった「パリン」と硬い帯地の帯が多いです。
必ずしも全部が全部ということではないですが、全通で、名古屋帯としては長めだったりします。
帯の端は、単衣になっているものもありますが、大抵は端っこだけ2枚になっていることが多いです。
※この帯先だけ2枚の場合ですが、多くは上の写真の先を内側に折り込んだままになっています。 このままで使用可能です。
手先と垂先が決まっていなかったりもしますので、折線を気にしなければ、汚れたら逆さにして締めたり、半幅帯の代わりに折って使うこともできます。(先っちょ以外は1枚の帯なので)
単帯と「単衣帯」の違い。
「単衣帯」も「ひとえおび」と読みますが。
単衣帯は、帯に芯を入れずに、前帯や手先は1枚に仕立てた帯で、お太鼓部分は返しがあります。
八寸のかがり帯は、このタイプが多いと思います。
また、単衣の着物に締める「単衣時期の帯」も「ひとえ帯」と読んだりするようですけど。
「単帯」とは、帯の仕立てというか、作り自体が違います。
単帯を締める季節
昭和の時代は「夏帯」として使用したそうです。
浴衣や綿麻のカジュアルなものに締めると良く合います。
現代では、盛夏には「絽」や「紗」、「羅」といった透け感や折り目の粗い帯ですとか、麻や綿麻の帯といった「夏素材」の帯を締めるのが主流なので。
オールシーズンOKと言われる博多帯でさえ、紗献上のような「透け感」のあるものを好まれる方がおおいですから。
夏の浴衣・木綿・ウールのようなカジュアル着物に締めるのでしたら、半幅帯で使うのが合うかなあ?と思います。
単帯は、博多やつづれの帯が多いので、紬や小紋のような絹ものにも使えます。 特に単衣の着物によく合うと思います。 もともとが夏帯なので、袷の着物にはちょっと軽いかもです。
木綿やウールに締めるなら、春先や晩秋でも良いと思います。 どちらももともと単衣の着物ですしねー
場合によっては、垂に返しが取晩秋れるかも。 単帯は長めが多い。
単帯は、長さがあることが多いので、場合によってはギリギリ垂れを返して使えるかもしれません。
(オランダ線は出せませんが)
お太鼓結びでなく、角出しや銀座結びに締めるなら、お太鼓部分を2枚にしやすいです。
また、全通のことが多いので、ふくよかな方にも向いていると思います。
今ではあまり見かけませんが、リサイクル品はお安く手に入るのでお勧めです。
コメント