4月半ばというのに、25度超えの夏日になるというのですから、普段着なら袷でなくてもいいよねーと思いまして。 「ひとえ、単衣・・・」と箪笥を漁って見つけました。
ずいぶん前に骨董市で購入し、箪笥の引き出しに仕舞い込んでいた「紬の単衣」着物です。
礼装にならない紬の着物に、礼装用の染め抜き日向紋って、なんで?
一般的に、紬の着物はお洒落用です。 『礼装向けにはならない』というのがセオリーです。
一方、染め抜きの日向紋は、1番格のある技法の紋です。 黒紋付や留袖など、第一礼装とされる着物は、染め抜き日向紋の五つ紋を入れます。 紋の数が、3つ・1つと減りますと、その分格は下がりますので、染め抜きの三つ紋なら準礼装で、一つ紋なら略礼装と言われます。
同じ1つ紋なら、縫い紋よりも染め抜き紋が格上のはず。 そして、陰紋や替え紋(中陰紋)よりも、日向紋(表紋)の方が重い(格上)です。
なので「礼装にならない紬の着物に、どうしてあらたまった染め抜き日向紋を入れちゃったのかな?」と、なんだか不思議に思ってしまうわけです。 「縫い紋」をさりげなく入れるのでしたら、わかるんですけどぉ~
普段着として着るのなら、紋は隠す!
コレ、五つ紋であったとしたら、さすがに隠しようがありませんけど(笑)
幸いにして「背に1つの紋入り」なので、ワタシは「羽織で隠して着る」ことにしました。
着ている羽織は、春~秋用の薄羽織(夏京お召し)ですが、スケ感はそう強くはないので、背中の紋は見えません。 これなら、普通に紬の無地着物として着られますよね。
背の紋は「無かったことにする」のですから、帯も当然カジュアルです。 織りには染めと良く言いますが、後染めの「染め紬」なので、織帯でも問題なさそうですね。
ただ「夏日」と予想される日に着る単衣なので、暑苦しい帯は避けたいところ。 ならば塩瀬と思いましたが、「塩瀬のスベスベ感は、真綿系紬に合わなくない?」とお友達に助言してもらいましたので。
この日は、相良刺繍の名古屋帯を締めました♪
さて、このような場合には、羽織を脱ぐのは、背に壁を背負ってからにするのが必至ですね。 背後に人がいる状態で、羽織を脱ぐのはやめておこうと思います。
染め抜き日向紋の無地紬は、どういう着物か?
呉服屋さんに「無地で・単衣で・紬なのに染め抜き日向の一つ紋って、どんな用途で作られた着物と思われますか?」と尋ねてみました。
昔の人は、とかく紋を入れたがったのだそうなのです。 で、あくまで想像なんですけどね。↓こういう着物ではなかろうか?ということでした。
ワタシは、お茶をたしなんではおりませんので。 それじゃあ、ほとんど着る機会が無い!ということになってしまうため、やっぱり紋は要りません。
ちなみに「紋消し」をお願いした場合、約18000円ほどかかるとのこと。
うーん、結構するんですね。
ということで。 この着物は、今後も羽織とペアで着ることにしようと思います♪
単衣の紬なので、羽織も単衣か薄羽織になりますね。 あんまり透けると、背中の紋が見えちゃいますから、そこがちょっと難しいところなんだよなぁ!
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