きもの|織り・素材>阿波しじら織(あわしじらおり)
※画像:本場徳島阿波正藍しじら織伝統工芸品・阿波しじら織木綿
阿波しじら織(あわしじらおり)とは
阿波しじら織は、通気性・吸湿性にすぐれた軽くて着やすい綿織物です。 別名「阿波ちじみ」とも言います。
阿波しじら織には独特の風合いのシボがあり、このシボの凹凸で肌に張り付くことがありません。 そのため、さらりとした肌触りの良い生地に仕上がります。
綿素材なので汗をかいても自宅で手洗いできますし、快適な着心地です。 そのため「適暑衣料」として需要があがり、夏の浴衣や甚平の素材としても人気があります。
阿波藍を使った本場徳島「阿波正藍しじら織」は、昭和53年に国の通産大臣指定を受けた「伝統工芸品」です。
阿波しじら織の由来
阿波しじら織は、明治維新のころ、徳島の福島町(阿波阿宅村)で誕生したと伝えられています。
そこからヒントを得て、苦心研究の末考案され、明治2年に「しじら」と命名されるに至った。
しじら織の凸凹は、経糸の張力差を利用しています。 現代では、工夫して織られた布を75℃の熱湯をくぐらせて乾燥する事により、鮮やかなシボが浮き上がるのだそうです。
阿波正藍
本場徳島の「阿波正藍しじら織」は、阿波で栽培された植物藍と科学染料で染色されているそうです。
阿波で栽培された植物藍は、品質が高いため、他の藍とは区別して「正藍」と呼ぶそうです。 ちなみに、その他の地域で栽培された藍は「地藍」と言うとのこと。
現代の「しじら織り」は、藍だけでなく、全部で108色もの糸を使っていて、200種類以上の柄が存在するというからすごいですね。
阿波しじら織を着る時期
阿波しじら織は、単衣時期~盛夏に着ることができます。
「5~9月頃まで着ていただける単衣木綿」ということなので、早ければGW明けくらいから着ても良いかもしれません。
真夏は浴衣として、素足に衿なしでも良いですし。
春や秋は、半衿や足袋を合わせて、単衣の着物として着ることができます。
浴衣で着れる着物ですから、かしこまった場所には向きません。
春から秋にかけての普段着物にピッタリな着物となります。
阿波しじら織のお手入れ
阿波しじら織は木綿ですから、自宅で簡単に手洗いできます。
ただし、洗濯で多少縮む事があるそうなので、最初は洗う前に採寸をしておくのが良いかと思います。
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- たっぷりの水で手早く洗い、十分すすぐ。
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- 糊付けした後、軽く脱水する。
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- 袖たたみにして、手でたたいて小じわを伸ばす
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- 竿か衣紋掛に形を整えて陰干しにして乾かす。
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- アイロンは、当布をして軽くかける。霧吹きはしない。
抜染の阿波しじら織
抜染(ばっせん)とは、約1mの型を使って柄出しを行う、昔ながらの染抜き工法です。 全て職人さんの手作業で行われます。
しじらと言うと、縞やチェックのイメージが強いかもしれないですが、ムジナ菊や牡丹唐草など、古典的な柄も素敵ですね。
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