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「びら簪(びらかんざし)とは、花嫁や七五三の筥迫(はこせこ)に差し込んで使う「ビラビラ」と呼ばれる歩揺(ほよう)の付いた飾りです。 びらびら付きの短いかんざしを、飾り房のついた「簪挿し」に入れて取り付け、着物の胸元に入れた筥迫を華やかにします。
上の写真は、七五三7歳・筥迫用のびら簪です。
びら簪(びらかんざし)について
びら簪(びらかんざし)は、筥迫用の装飾目的のものを挿すことが多いように思いますが、実際に簪として髪に挿して使うタイプもあり、「びらかんざし・びらびら付きかんざし・ビラカン」などと呼ばれます。
例えば、日本髪用の3連簪に良く使われている「短冊状のビラビラ付き簪」もビラカンの一つです。
縮緬細工等のハンドメイド用に、ビラビラかんざしがパーツとして販売されていたりもします。
筥迫用のびら簪は、筥迫に収まる長さになっているので短いですけど、簪として髪に刺す用のびらかんざしは、結構な長さがあります。
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昔は「びら簪の先」を護身用の刀剣の代わりとしたそうですが、現代ではその必要はありませんので、大抵は針金のような二本足のタイプです。 時々、装飾が施された「板状」のタイプも見かけます。
ワタシがいた写真館では、ビラ簪のことを皆「ビラカン」「ビラカン」と呼んでいましたが、本当は「びらかんざし」だったんですね。 ちなみに、Amazonで「ビラカン(全てのカテゴリー)」で検索してみたところ、ナント、工具パーツのようなものがたくさんヒットしました。 いくらなんでも、これは違うなー!
筥迫用びら簪のルーツ
筥迫用の「びらかんざし」のルーツは、紙入れ(紙はさみ・鼻紙袋)に挟んで、帯に挿し込んだ「鎖付鏡」であったと言われています。
長い鎖を帯から垂らして、アクセサリーのようにしていた様子が、江戸時代後期の錦絵からうかがえるそうです。
びら簪の使い方
びら簪の使い方は、いろいろなバージョンがあるようですので、見たことがある挿し方をご紹介します。
一番ポピュラーだと思うびら簪の使い方
一般的な使い方は、下の写真のように「かんざし挿し」に入れて、筥迫の上部に上を向けて取り付ける方法だと思います。 ワタシは、ビラ簪の頭と筥迫の端をきっちりと揃える方が好きです。
ビラビラがキレイに下に垂れるように、わざと少しずらして取り付ける方法もあるようですが、これだとびら簪が抜けて落ちやすい(失くしやすい)のでご注意ください。
びら簪の紛失防止策
写真館では、お出かけコースの7歳さんのお着付け時には、輪ゴムをかけて「紛失防止」をしていました。
筥迫は「半懐中」で、半分を衿に入れて使いますので、輪ゴムは表に見えません。 しかも、筥迫が胸元から出てきて落ちるのを防ぐという「滑り止め」の役目もしてくれるので、一石二鳥なんですよ!
ネットで見つけたびら簪の使い方:かんざし挿しを裏に伏せる
ここからは、ネットで見つけたびら簪の使い方です。
まずは、かんざし挿しを裏に伏せる方法。
びら簪を失くしたなど、ビラビラなしで筥迫を使う時には、このようにかんざし挿しを伏せたりしますが。
裏を上に向けてしまうと、飾り紐が奥に行ってしまいますので、飾り房をゆらゆらと見せたい場合には、あまり向かない気がします。
この場合も、ビラ簪の頭は飛び出すようにセットされていましたよ。
ネットで見つけたびら簪の使い方:ビラかんざしを筥迫本体に挿す
ネットで見つけたびら簪の使い方です。 「なぜ?ここなんだろう?」としばらく見入ってしまいましたが、かんざし挿しを無視して、筥迫本体に入れていました。
真似してみようとやってみたところ、筥迫の作りにもよるのかもしれないですが、正直、とても取り付けにくかったです。
びら簪の丸い部分の絵柄を正面に見せるために、横挿しするという方法もあるそうですが、ワタシが見つけた写真は普通に上を向いていましたので、なぜここなんだろう?と、未だに謎が解けません(笑)
びら簪のお手入れ
ワタシが集めている筥迫セットは、すべてセカンドハンド(中古)ですので、びら簪が変色していることがままあります。
胸元に入れてしまえば、ビラ簪が少しくらいくすんでいても、そう気になるものでもないのですが、キレイになるならもちろんその方が良い訳で。
思いつくお手入れ方法を試してみました。 やってみたのは、以下の5つです。(やってみた順)
- シルバークリーナー
- 歯みがき粉+歯ブラシ
- 重曹+アルミホイル+熱湯
- お酢
- キッチン泡ハイター
立て続けに全部やってみていますので、相乗効果的なものもあるのかもしれないですが、1番効果があったように思えたのは「食酢」です。 タッパに入れた酢に数分間浸して、その後少しブラシで磨きました。
黒色・茶色が、薄い黄色になりました。 ピカピカは無理でしたけど、結構見た目は良くなった気がします。
筥迫にセットしてしまえば、割とキレイに見える気がします。
びらびらの位置を変える
びら簪は、単品で購入しても1000円しないで買えちゃいますので、ここまでする必要はないかもしれないですけどね。
奥の位置のビラビラは見えくいので、難ありのビラは、奥へ入れ替えてしまうと良いですね。
鎖が切れてしまった等の場合も同様です。 奥側でしたら1本くらい足りなくてもわからないので、そのまま使って大丈夫な気がします。(私見ですが)
びら簪は、紙や袋に入れて仕舞う
七五三やお正月に使った後は、キレイに拭いてください。
そして、紙に包む・元の袋に戻すなどして、なるべく空気に触れないようにしまってください。
びら簪の変色や錆は、皮脂や汗などが空気で酸化して起こりますので、まずはキレイに拭いて(洗って)乾かして。 きちんと包んで仕舞っておくのが良いと思います。
未使用だったり、キレイに包まれて保管されていたものは、古いびら簪でもピカピカしたままのことが多いです。 ぜひ、ひと手間かけてあげてくださいねー
■ワタシの所持している筥迫セット等を、お安くお貸出しいたします。中古で良ければぜひお使いください。
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