帯技法>ドロンワーク
ドロンワークは、レース刺繍の一種です。
布地の縦糸や横糸を、部分的に抜き取って残った糸をかがったり、渡した糸にステッチをかけたりして、布地に模様を描き技法のことを言うため「糸抜き手芸」などとも言うようです。
上の写真は帯(夏の紗八寸帯)ですが、欧米各国に同様の技法が存在していて、その歴史はとても古いそうです。
ドロンワークとは
ドロンワークは、国によってその呼称が違います。 ドロンワークはカタカナ表記なので、てっきり外国の呼称をそのまま使っているのかと思いましたが、実はこれ、日本での呼び名のようです。 諸外国では、以下のように呼ばれています。
- ドイツ:シュヴァルム(Schwalmer)
- ノルウェー:ハーダンガー(Hardanger)
- デンマーク:ヒーダボー(Hedebo)
- ウクライナ:ミレシュカ(Myreschka)
- アメリカ:ホワイトワークス(white works)
日本に入ったのは明治維新後であるそうですが、昭和40年初頭には、ドロンワーク先進国を凌いで欧米に輸出するほどまで成長したというからすごいですね。
当時の作品写真が↓こちらのサイトさんで拝見できますので、ぜひご覧ください。
その後は、中国の汕頭刺繍(すわとうししゅう)におされてしまい、現在は、ほとんどが中国製であるようです。 ハンカチやテーブルセンターの他、洋服のデザイン等に使われています。
和服に見るドロンワーク
ドロンワーク・和服と検索すると、帯・コート・半衿などが多く表示されます。
帯の場合は、ちょっとレトロな雰囲気の絽や絽綴れ、紗のお太鼓柄の名古屋帯が多いようですケド。
現代物の半幅帯もありましたよ。
きものの場合は、色無地や訪問着の柄として使用されることが多いようです。
手のかかる技法なので、軽めの絵羽や部分的な柄として用いられています。
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