手入れ>色掛け(いろかけ)
色掛けは、既存の色を抜かずに、元の色の上から違う色で染める「染め直し」のことです。
色掛けをするのはどんな時?
色掛けをするのは、例えば以下のような場合です。
- 着物の色がヤケてしまった時。
- 着物にシミや汚れがついて落ちない時。
- 着物の地色が、似合わなくなった時
- 柄や模様が気に入っている等、白生地に戻したくない時
元の色を抜かずに、上から色を乗せて染まるため、淡い色⇒濃い色とすることが多いです。
>一度解いてから行う
>仕立て上がった状態のままで丸っと染める
解かずにそのまま色を掛ける場合は、裏地も全て染まります。縫込み部分など、染料が届かずに染まらない部位が出ることもあります。
撥水加工をしてある場合は、一度加工を抜かないと染めることができません。
手間も時間も料金もかかりますが、解いて洗い張りをしてから「染め直し⇒仕立て直す」とする方が、一般的と思います。
色掛けのメリットデミリット
着物をよみがえらせる色掛けのメリットデミリットです。
色掛けの良い点
- 脱色して染め直すよりも安価であること。
- 織り柄などを残すことができること。(色は変わる)
- 布地の傷みが少ないこと。
色掛けのデミリット
- 実際に色を掛けてみないと、仕上がりの色がわからない。
>>元の色がそのまま残るため、水彩絵の具を混ぜたような色の変化が起こることがある。(黄色に青で緑、赤色に青で紫みたいな) - 濃い色で染めることが多いため、もともとの柄が見えなくなる可能性がある。
- 逆に消したかったシミが残ることもあり得る。
- 色留めや撥水加工をしても、色落ちする可能性はある。
いずれも、生地の種類や染めの仕上がり具合によりますから「とにかくやってみないとわからない」ということが言えます。
実際に能登上布に色掛けをしてもらいました。
シミ・変色のあった能登上布の着物を解いて、濃茶色に色掛けをしてもらいました。
かかった料金など、詳しくはブログでご紹介しています。