畳表(たたみおもて)は、竹皮を割いて編んだ表(おもて)を言います。
「畳」のおもては井草ですけど、履物の畳表は「竹皮」で、雪駄・草履・下駄などに使われます。
畳表の付いた下駄は、「表付(おもてつき)」と呼びます。
畳表の色
畳表には、白竹・茶竹・カラス・墨黒(消黒)などがあり、どれも素材は「竹皮」です。
茶竹は、竹皮を漂白してクリームに色づけしたもので、下の写真は茶竹・白木舟形台の下駄です。
白竹は「茶竹」よりも、もう少し白い印象。 カラスは、茶色。 墨黒は漆黒色になります。
南部表と野崎表
畳表は、「南部表(なんぶおもて)」「野崎表(のざきおもて)」と表現されることがあります。
両者の違いは、編み方・作り方だそうで、より細かくキレイに編まれたものが「南部表」で、天の網目を見た際に、目が横にキレイに並んで見えるそうです。
野崎表は、南部表よりも編み目が粗く、横というよりはナナメの編み目に見えるそう。
また、南部表は手縫い仕上げされるのに対し、野崎表は接着剤使用など、職人さんがかける手間が違うとのこと。 その分、価格が違いますので、使用目的に合わせて使い分けるというのも良いかもしれません。
こちらの下駄は↓南部表だそうですよ。
畳表のTPO
茶竹や白竹の畳表は、鼻緒次第で正装・フォーマルなシーンで履けると言われています。
雪駄
雪駄の場合、白い無地の鼻緒がフォーマルです。
第一礼装の黒紋付には、牛革・無地白の鼻緒が高級感があって良いと思いますが、レンタルや七五三・男児の雪駄などは、天も鼻緒も人工の素材ですね。
草履
女性の畳表の草履は、名物裂や錦織のような格のある「織の鼻緒」を合わせると、礼装・正装で使えます。
台は、「二の五」「三の七」等、芯の数を増やして高さを出すと、よりフォーマル度が上がるようです。 「一の三」で、よそゆき小紋・付下げ・訪問着、色無地などの礼装に対応できるということなので、かかとが5枚の 「二の五」 くらいあれば、留袖や色留袖にも履けると思います。
下駄
下駄でも、白竹や茶竹、墨黒の表付なら、正装ばきもできるとのこと。
ただ、どうしても「カジュアル」なイメージのある下駄なので、実際に格のある場所に履いていくには、よほど和服を着慣れていないとハードルが高そうな気がします。 実際に、表付の下駄を正装で履いていらっしゃる方、お見かけしたことありませんし~
以前、茶竹の南部表・白木台の船形下駄を購入した際にTPOをお尋ねしたところ、「シチュエーションにもよりますが、訪問着や付け下げは難しいと思います。それ以外の、紬・小紋などの普段着物でしたら問題ございません。」とのお返事をいただきました。
あ、でも、七五三や成人式の振袖に合わせる「ぽっくり」でしたら、写真館の撮影で良く使っておりました。 南部表のぽっくりは、晴れ着に合わせるとメチャ可愛ですー!
畳表の注意点
畳表の草履や下駄を使用する際の注意点です。
- 素足で履かない
汗・汚れなどで色が付いたり、足指の痕が付いたりするから - 雨の日に履かない
水濡れに弱いから
きもの好きなら、1足は欲しいと言われる「畳表」の高級草履。 滑るので、慣れないと歩きにくいとの声もありますが、その場合は、足袋のカカト軽く湿らせると良いそうです。(固くしぼったタオルで拭く程度。濡らさない事!)
颯爽と履きこなせたら、着物上級者と言って良いかも♪
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