柄・紋様>名物裂(めいぶつぎれ)
※写真は手持ちの「懐紙入れ」を撮ったものです。
名物裂(めいぶつぎれ)とは
「名物(めいぶつ)」とは、千利休をはじめ著名な茶人が「銘品」と認めた茶道具の事です。
裂=布きれ なので、茶入れや袱紗(ふくさ)などに用いられた裂(きれ)を、名物裂(めいぶつぎれ)と呼ぶようになったということです。
■名物裂をきりばめ調にデザインした利休バッグ
名物裂の前身
もともとは、鎌倉時代より江戸時代にかけて、主に中国から日本に伝わってきた最高級の織物、もしくは、それらから大きな影響を受けた日本製の染織品でした。
(名物裂の多くは、宋・元・明・清時代の中国から入ったもの、もしくはインドや東南アジアのもの)
金襴(きんらん)や緞子(どんす)、更紗(さらさ)などの豪華な文様の織物であり、高僧の袈裟(けさ)や帳(とばり)・打敷(うちしき)・猿楽の装束・武将の衣装としてなどに用いられた布です。
その後、茶道の美術工芸品とともに用いられ、総称のように呼ばれるようになりました。
武士や貴族が使用した布が茶道で用いられるようになったという「由緒正しい布=名物裂」なので、現在でもまた「品格のある文様」とされています。
名物裂文様の例
良く知られているものに、荒磯文・唐草文・吉野間道・有栖川文などがあります。