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牡丹(ぼたん)
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」美しい女性を姿や所作を表す言葉として有名ですが、もともとは漢方薬を用いる時の、例えなのだそうですね。 知らなかった!
- イライラと気が立っている女性には、芍薬の根。
- ペタンの座り込む『お血(おけつ=腹部に血がたまること)』は、牡丹の根。
- ナヨナヨと歩く心身症には、百合の球根。
美人の形容に使われる牡丹は、原産国・中国では「百花の王」と称されて、富貴のイメージで人気があります。
日本には奈良時代に薬用として伝わり、のちに観賞用となったそうです。 文様としての歴史も古く、平安時代からとされています。
牡丹と芍薬の違い
牡丹と芍薬、とても似ていますので、和服の模様となると「どっちかなー?」と見分けがつかないものも多いのですけど。
実は牡丹は樹木なので、横に広がった枝葉の間に座るようにして花が付きますが、芍薬は草なので、1本の茎の上に頭が乗っているように花が付きます。 「立てば芍薬、座れば牡丹」←これは、花の付き方を表す言葉だとも言われているそうで、面白いなーと思いました。
牡丹と芍薬の見分け方としては、「葉がギザギザ=牡丹、葉にツヤがありギザってない=芍薬」だそうです。 また、ボタンは花びらが落ちていくのに対し、芍薬はツバキのように花ごとボトンと落ちるという散り方が違うそうです。
和服の紋様となると、ちょっと見分けはつかないかも?ですね~
牡丹柄の季節
牡丹柄を用いる季節は、通年・もしくは春になります。
袷の時期の着物や帯で、写実的な描かれ方なら、春に用いるのが良いと思います。
他の季節の草花と一緒であれば、春に限らずでよろしいと思いますし、夏の素材であれば初夏~盛夏になると思います。
人気の「牡丹文」
唐草牡丹
唐草と牡丹・下の画像は「型染めの八寸名古屋帯」です。
唐獅子牡丹
能の「石橋(しゃっきょう)」がモチーフとなる「唐獅子牡丹」。
蝶牡丹
蝶と牡丹と言うと、私は「花札」を連想してしまうのですが、実は中国の伝説や中国の思想家・荘子(そうし)の斉物論編「胡蝶の夢」を表したもの=蝶牡丹文であるそうです。
蟹牡丹
牡丹の葉で、蟹のような形にデザイン化された文様。
牡丹文の着物・帯
※clickで大きく見れます。
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