卒業式の袴に合わせて履く草履。
卒業式の袴に合わせて履く草履。 良く合うのは、どんな草履?
卒業袴に履く草履の「デザインや台の高さ・素材」についてです。 最近流行りの厚底草履や、草履に履く足袋についても。
卒業袴に履く草履は、どんな草履?
卒業式の袴に合わせる草履は、着物の格と合わせくと、しっくりくると思います。
振袖なら振袖に合う草履。 色無地なら、色無地の着物に合う草履。 二尺袖の着物はデザイン(テイスト)が豊富なので、きものの色柄の雰囲気で選ばれると良いと思います。
振袖の着物で履くなら
昔は「錦織・唐織・綴れ織りなどの布製」の物が礼装用のお草履で、金糸銀糸が使われた華やかな織りのものを、留袖・色留袖・振袖用の 草履バッグとして使いました。 台と鼻緒は、同素材で同色です。
■留袖用の草履バッグ
■ワタシが30年ちょっと前に買った振袖用草履バッグ
上のような振袖用草履でも、振袖を着るなら使えないことはないですが、「ママの成人式用?」って感じの昭和っぽさは否めないかも。
長期間保管していた草履の場合、経年劣化している可能性も高いので、出先で壊れることもあるのでご注意ください。
最近の振袖用草履バッグは、↓こんな感じです。
皮革・合成皮革・エナメル台の草履が人気です。
また「台は3段重ね以上がフォーマル用で、かかとの高さは5㎝以上。 高ければ高いほどフォーマル度が上がる」という話を聞いたことがありますが。
今は1段で9㎝もある「ハイヒール草履」なんていうものもありますし。
10段もある草履台もあるそうなので、昔とはちょっと様子が変わってきているようです。
中振袖に袴を着けるなら、草履バッグも振袖用で構わないと思いますけど。 華やかな変わり結びの袋帯を半巾帯に変えて袴を着ける 訳ですから、あまりにフォーマル度の高いゴージャスな草履バッグは、やめておいた方が良いですね。 そもそも卒業式の袴は、学生さんや教職員用であったお衣裳ですから。
無地場のあるタイプや、少しシンプルなテイストのある草履バッグをおすすめします。
◆おすすめ!振袖にも袴にも合います。
創美苑・エナメル草履バッグのセット
二尺袖の着物+袴で履くのなら
二尺袖着物の場合は、着物の色や柄などの雰囲気で決めると良いと思います。
華やかな絵羽模様の二尺袖なら振袖用でも良いですし。 矢羽絣のようなカジュアルテイストなら、小紋の着物で履くような「少し普段着より」の草履でも。
■矢羽絣の二尺袖の例:丸昌町田店さんの貸衣装
実際にネットの「卒業式袴フルセットレンタル」で案内されているお草履を拝見すると、街着用(普段用)の着物で履けてしまいそうな「ウレタン草履」が セットされていることも多いようです。
最近流行のレトロポップな二尺袖なら、草履も「今っぽいテイスト」のあるものが可愛いですね。
卒業袴に履くには向かない草履
袴に合わせる着物がカジュアル感のある小紋なら、普段着物で履けてしまいそうな「ウレタン草履」でも大丈夫と書きましたけど。
とはいえ、卒業式は「式典」というあらたまった場所であることには違いないので、あまりにぺったんこのカジュアル草履はやめておいた方が良い気がします。 ジュニア(小学生)の卒業式でしたら 構いませんけど。
草履のデザイン(素材)にもよりますが、振袖用の草履のカカトが4㎝ちょっとありましたので、このくらいの高さは欲しいところです。
また、ワニ革・ヘビ革などの殺生系はフォーマルシーンにはNGですので、避けてください。
下駄も普段用の着物でしか使えませんので、いくらかかとが高いものでも、下駄は式典には履けません。
どうしても袴に合う草履が見つからない時は、いっそブーツを履かれることをお勧めします。
卒業式袴のブーツ
卒業式の袴に合わせて履くブーツ。タイツや靴下について。
袴に合わせて草履バッグを買い足すのなら
卒業式の袴に合わせて、草履バッグを買い足すのなら、卒業式が終わった後も「使い回しのきくタイプ」を選びましょう。
■訪問着や付け下げ、色無地にも使える草履
※きもの館 創美苑
オリジナル草履
(2枚芯・カカト高さ5センチ・お手頃価格♪お揃いのバッグもあります!)
付け下げや色無地の着物に合う草履なら、色によってはお母さんと兼用でお使いいただくことが可能なので、後々無駄になりません。
コーディネートがしやすい上品な雰囲気の草履であれば、「卒業式」というシーンにもピッタリだと思います。
卒業式の袴に履く厚底草履。
最近流行の「厚底タイプの草履」を袴で履くことは可能です。 ただし、着物の雰囲気に合わせて選んでくださいね。
■厚底草履の例
■厚底草履の似合いそうな着物の例
※撮影協力:ふりそでモード
舞妓さんの履くような「ぽっくり」は、厚底草履と似ていますけど、袴に履くにはちょっと違うと思います。 袴+振袖の場合でも、やっぱりぽっくりではなく、お草履にしておきましょう。
卒業式袴の草履に合わせる足袋
卒業式の袴の草履に履く足袋についてです。
上の写真の足袋は「4枚こはぜ」ですが、袴の丈が短い時には「5枚こはぜ」の足袋を履くと、少し足首が見えにくくなると思います。
■ブーツの袴丈で草履を履いてもらったところ。
4枚こはぜの普通の足袋で、足首が袴の裾から見えるのが気になる時には、足袋と同色のタイツを履くのがおすすめです。 和装タイツなら、足袋でも指先を気にせずに履くことができます。
基本的に、フォーマル・セミフォーマルなシーンで履く足袋は白色です。 白地にワンポイントの刺繍柄なら良いと思いますが、色付き・柄入りの足袋はカジュアル用なので式典には使えません。
素材は木綿・または木綿+化繊で、時期的に「袷(裏付き)」の足袋を選んでください。(単仕立ては6~9月用です)
防寒用・裏地がネルのタイプでも構いません。
足袋を履きなれない方には、ストレッチ素材の白足袋も良いと思います。
履き込み口がゴムのタイプはカジュアル用ですが、こはぜのついた「ストレッチ足袋」(成人式の振袖セットによく入っているタイプの足袋)なら問題ありません。
靴下みたいな「足袋ソックス」は、防寒用に足袋の中に穿いたり・ブーツに穿くのはOKですが、卒業式の草履に履く足袋の代わりにはなりません。
足袋の表地がネル・別珍・レースなどの素材の足袋も、フォーマルには不向きとされていますので、普通の白い足袋が良いと思います。
足袋についてもご参考にどうぞ。
足袋について
足袋の種類と用途・季節等による選び方。足袋の手入れ(洗い方)足袋の履き方
卒業式袴の足袋とストッキング
卒業式が行われる2月・3月は、素足に足袋ではまだまだ足元が冷えるかもしれません。
その場合は、和装タイツも良いですし。
ストッキングやタイツの指先を割って、足袋を履いて構いません。
ただし、階段の上り下りなど、思ったよりも袴の裾から脚は見えます。 裾を汚さないようにとたくし上げるとなおさらです。
◆袴で階段を降りるイメージ。
袴の裾から脚が見えてしまっても、おかしく見えないようなストッキングやタイツを選んでください。
卒業式袴の足袋・草履と雨の日
卒業式が雨の場合は、当日変更できるように、ブーツも用意をしておくと安心ですね。
足袋・草履で出かける場合の雨対策は、成人式の振袖を着る場合と同じですので、以下の振袖・雨雪対策をご覧ください。
振袖の雨雪対策・足元編
成人式の日が、大雨・大雪だった場合には? 悪天候で振袖を着る際の、雨雪対策「足元編」です。