成人式が雨・雪だった場合はどうするか?振袖の雨雪対策について・その2「足元編」
成人式の日が、大雨・大雪だった場合には? 悪天候で振袖を着る際の、雨雪対策「足元編」です。
■振袖の雨対策・雪対策その2:足元編
成人式振袖の雨対策コート編
成人式が雨・雪だった場合の備え「雨コート」や「ショール・ストール」。
雨の日の足元対策
ここからは、雨の日の足元対策についてです。
まず1番におすすめしたいのが、「撥水力のある足袋カバー」の用意です。
■撥水足袋カバーの一例
足袋カバーは、汚れ防止・防寒としても使えますし、撥水加工のしてあるものなら、多少の雨なら爪先を濡らさずに済むかもしれません。
大抵の場合「これ1枚でも使用可」と書いてあるのですが、1枚履きではペロペロすぎてオススメできません。 中に普通の足袋を穿くか、 ヒートテックの足袋インナーや足袋ソックスを重ねばきしてください。
本来、正式な「フォーマル用の足袋」はキャラコ地です。 ネル裏のタイプが暖かくて冬用になります。
同じキャラコ足袋でも、中が晒のタイプもあって、こちらはどちらかと言えば春夏用です。 (必ずということではないですが)
振袖のレンタルセットでは、履きやすくて・扱いやすい「ストレッチ足袋」が使用されることが多いです。 正装用の足袋ではありませんが、 伸縮性があるため、足袋を穿きなれない方でも、足が痛くなりにくい・履きやすいというメリットがあります。
ストレッチ足袋は、どちらかといえば足袋カバーに近い足袋なので、大きめサイズを選んでいただき、お家にある足袋や足袋インナーと重ねばきしても良いです。 2枚穿くとかなり足先が暖かくなりますよ。
ストレッチ足袋は洗濯機でネット洗いも可能なので、雨の日に履く場合には防水スプレーをしておくと良いかもしれませんね。
ちなみに、他所のお宅にお邪魔するなら、予備の足袋を持参するか・足袋カバーを脱いでキレイな足袋で♪ 汚れた足袋で上がりこむのは、マナーとして良くありません。
雨草履を用意する
小雨程度なら撥水加工の足袋に草履でも良いと思いますが、本降りでしたら 草履カバーか雨草履(時雨草履)があると良いですね。 荷物になりますが、屋内で振袖用のお草履に履き替えてください。
■時雨草履の一例
雨草履(時雨草履)は、外を歩く時に履きますが、フォーマルシーンでなければ(普段用のカジュアル利用)、そのまま室内で履いていても良いとされています。 振袖の場合はフォーマルシーンとなりますので、室内では履きかえないとコーディネート的にもちぐはぐに見えます。
草履を履きかえる際、台の高さが違いますので、振袖用の草履に合わせて裾を長く着付けてしまうと、雨草履では着物の裾を擦ってしまうかもしれません。 雨の場合は、少し短めに着付けてもらう&裾を端折って雨コートを着るなどで着物の裾を汚さないようにしてください。
長襦袢の裾は、草履の高さに関わらず、床や地面に擦る心配はありません。
着物に慣れた人でしたら、雨下駄を履いて爪皮を付けるというのもアリですが、振袖の場合は雨下駄はやめておきましょう。 アザラシやフェイクファーなどの防寒用の可愛い草履は、暖かく歩きやすいのでおすすめですが、高価なので備えで買うのはちょっともったいないですね。
雨用草履カバーを用意する
以前友人が、娘さんの成人式に雨が降るという天気予報を聞き、「前日に草履カバーを買っておいたら、とても役に立った。」と言っていました。
■友人が送ってくれた「草履カバー」の写真。
それまで草履カバーというものがあるのを知らなかったワタシは「へぇ~!便利なものがあるもんだ」と感心して、同じものを自分用にと買ったことがありました。
草履カバーには、下駄のように歯のあるものと無いものがありますが、どちらでも構いません。 購入時に確認していただきたいのは、お手持ちの振袖用のお草履が 入るかどうか?です。
最近は厚底タイプの振袖草履が流行っているので、普通の草履用のカバーでは入らないかもしれないからです。
お値段的にあまり変わらないようでしたら、ドーム型の雨除けが付いた時雨草履を選んでも良いかもですね。 ただ、草履を持ち歩かないといけないのは 大変なので、ケースバイケースでしょうか。
車で送迎してもらうなど、あまり外を歩かないのであれば、無理に買う必要はありません。
・ブーツや長靴を履く。
もしも土砂降りや大雪の日に振袖を着るのであれば、いっそ長靴やブーツを履いてしまいましょう。
■雨用ブーツの例「レインファブス
」
もちろん、洋服用のレインブーツ(長靴)で構いません。 あえて買わなくても、お家にあるものを使ってください。
ただ、足袋を穿いたままで靴を履くので、少し大き目サイズのものでないと履けないかもしれません。 この場合も振袖の草履は別に持参して、室内で履きかえるようにしてください。
通常の着物の草履は(軽装履き以外の草履)は、鼻緒用の穴が底に開いているため、雨の日に履くと傷みます。 また、底にすべり止めがありませんので、 雨雪の日には滑ってしまって危ないです。
大雪の日に、振袖姿で転んでしまったお嬢様を見かけたことがあるのですが、着物のお尻も袂も汚れてしまって、とてもお気の毒な感じでした。
TVのニュース番組で、振袖に長靴を履いたお嬢様が映っているのを見たこともありますが、形振り構ってなんていられませんよね。 振袖を汚さない・危なくないということを、優先しちゃってくださいね。
着物で持つ傘
小雨程度でしたら、折り畳み傘でも構わないと思いますが、本降りの場合はなるべく大きな傘を持つようにしてください。
■24本骨・大判和傘の例
正絹の着物は、水に濡れると「輪ジミ」と呼ばれるシミができます。 水溶性のシミ・汚れは丸洗い(ドライクリーニング)では落ちませんので、 目立つ場合は専用のお手入れが必要となり、お手入れ代も結構な金額になってしまう可能性は高いです。
レンタル着物は、パールトーン加工などの撥水加工が施されていますので、多少濡れても輪ジミになることはないと思いますけど。 撥水加工がされていないお着物は、お洋服と違って「雨に濡れても、乾けばOK!」・・・・・・・ということにはなりませんので、とにかく濡らさないように気をつけてください。
ちなみに、撥水加工=防水加工ではありません。 水滴程度ははじきますが、水が全くしみないということでもないので、加工済みの お着物であっても用心するに越したことはないと思います~
ちょっと大きめの傘を使って、濡らさないようにするのが正解です。
振袖の雨雪対策にあると良いもの・まとめ
ワタシの独断と偏見ですが、成人式・振袖の雨雪対策として、あると良さそうと思うものをまとめてみました。
- ・雨コート
⇒できれば2部式。袂は短いタイプで可。 - ・ポンチョやマント+撥水性の裾除け(巻きスカート)
⇒できれば透けないタイプのもの。(振袖の裾を端折るから)。 - ・着物ピンチ(着物クリップ)
⇒着付け用の大サイズ。裾を留めたり・袂を留めたり。
振りの隅に入れて、袂重りの代わりにも。 - ・腰紐
⇒着物の裾を端折って留めたり、袂を押えたり。着くずれた際にも使えます。 - ・タオル
⇒濡れたものを拭くために。 - ・ビニール袋。
⇒草履を入れたり、脱いだコートを入れたりなど。 - ・ショール(ストール)
⇒濡れても良い大判タイプを。
水鳥ショールは、濡れないところで使いましょう。 - ・ストール留め
⇒ブローチやクリップなどで、ストールは留めておきましょう。 - ・撥水足袋カバー。
⇒足袋の上に穿く。または、インナーソックスに重ねても。 - ・雨草履
⇒普通の雨なら、雨草履が活躍します。 - ・雨草履カバー
⇒曇天時は草履カバーで備えを。(草履に合うサイズのものを用意) - ・長靴・レインブーツ
⇒雪が降ったら、草履よりも長靴が良いです。草履は室内で履きかえて。 - ・大きな傘。
⇒メンズ用。もしくは24本骨の和傘など。 - ・防水スプレー。
⇒簡易雨コートや、アクリルショール、手提げバッグなどに。 - ・撥水足袋カバー。
⇒足袋の上に穿く。または、インナーソックスに重ねても。 - ・撥水加工の大判風呂敷。
⇒使わないものをまとめたり、雨コートの裾除けの代わりにしたり。
食事の際のエプロン代わりとしても使えます。
※市販の防水スプレーは、着物や草履バッグには吹き付けないでください。変色するリスクがあります。
「雨コートを買ってまで備えるのはちょっと」と思われる場合は、撥水加工の風呂敷や洋服用のレインコートを裾除け代わりに使うという手もあります。
レインコートは、手(袖)を紐の代わりにして腰の部分で縛ってください。 見てくれは悪いですけど、振袖を濡らすよりはマシです。
皆様の記念すべき「成人の日」が、どうぞ好天に恵まれますように♪