成人式が雨・雪だった場合はどうするか?振袖の雨雪対策についてのコート編です。
大雨・大雪だった場合でも成人式自体は中止にはなりません。 もしも、悪天候でも振袖を着るとしたら、雨雪対策はどうするか?について考えてみましょう。
※2013.1.16成人式の朝撮影:写真館和風庭園の雪景色
■振袖の雨対策・雪対策
成人式が大雨・大雪の日だったら?
着付師の仕事をしていて、過去2度ほど、成人式当日に大雪が降ったことがあります。
2度ともほとんどのお客様が着付けをキャンセルされましたけど、街中では振袖姿のお嬢様方を多く見ました。
2013年の大雪では、仕事帰り(着付)に式典帰りの新成人さん達と同じ電車に乗り合わせたのですが、皆さん、振袖もショールもビシャビシャに濡れていて、袂から水滴がぽとぽとと床に落ちているのをみて ビックリしました。 「濡れネズミって、きっとこういうことを言うんだろうなー」と思ったくらいに、ビッチョビチョの状態だったのです。
「レンタルの振袖だから濡れても平気♪」ということなのかもしれないですが、余計な追加料金を取られてもつまらないですし、そもそもあれでは「着ていて冷たくて辛いだろうなぁ」と思ったのを良く覚えています。
成人式の雨雪対策としての備えは、晴れてくれれば「無用の長物」です。 まったく必要のないものになります。
でも「備えあれば憂いなし!転ばぬ先の杖」でもあると思うんですよね。
雨雪だったら着物は着ない!という選択肢もありますが、微妙な「降り」ということもあるでしょうから、一応備えておいても損はないのではないでしょうか?
雨コートを用意する
着物を雨雪から守るレインコートを「雨コート(アマゴート)」と呼びます。 振袖用のお安い雨コートもあるのですが、ワタシは「できれば半透明ではなく、透けないタイプ」のモノが良いと思っています。 その理由は、以下に 書きますね。
フルレングス(対丈)の場合
フルレングスとは、1枚で裾までカバーできる「ワンピースタイプ」のコートを言います。
さっと1枚羽織ればOKで、着姿も美しいので、普段着として和服をよく着る方は、2部式(セパレーツタイプ)よりもフルレングスの方を好まれる方が多いです。
ですが、ワンピース型は丈の調節が難しいので、振袖にはあまり向かないですね。 帯の形で着丈が左右されてしまうからです。(出っ張り具合で短くも長くもなるから。)
当然ですが、振袖よりも雨コートの方が裾が長くなるようにしてください。 長すぎると「裾を踏む」ので、要注意です。
先ほど「「できれば半透明ではなく、透けないタイプのモノが良いと思う」と書きましたが、その理由はコレです。 振袖の裾が雨・雪で濡れないように、 たくし上げてしまう方が安心だから!
これなら、少しくらい雨コートの丈が短くても大丈夫です。 足首が見えてしまって格好悪い時は、いっそ長靴やレインブーツを履いてください。(小雨程度で 長靴は変ですが。本降りならばOKです。)
振袖の袂は畳んで、袖の中に収めます。
その際、コートの振りを縫い留めておくと、入れた袂が出てこないので安心です。
もしもお家にフルレングスの雨コートがあるのでしたら、着丈を調節してお使いいただくと良いですが、これから買い足すことをお考えならば、 二部式タイプの方がサイズを合わせやすいと思います。
二部式の雨コートの場合
二部式の雨コートは、巻きスカートと上着の2ピースタイプとなっています。 着丈の調節が簡単なので、こちらの方が着物を着慣れない方にはおすすめです。
藤紫色の2部式雨コートは、2012年3月に息子の卒入学式用にと楽天市場で買ったものです。 当時「見切り処分の訳アリ品」として 着物なごみや さんで2000円で購入しました。
もともとワッシャー加工の薄いポリエステルコートですし、何度も使って洗濯もしているので、なんだかヨレヨレな感じですけど。
こんな風に↓ストールしちゃえば、あまりヨレヨレ具合は気になりません。
ストール留め(クリップ)があると、ヒラヒラしない・肩から落ちないので便利ですよ。
二部式コートの場合も、振袖の袂は畳むか・丸めて袖に収めてください。 この雨コートは振りが閉じてありますので、収めた袂が出てくる心配がありません。
裾除け式の二部式雨コートは、裾と一緒に袂も帯に預けておくというのもありかなーと思い、試してみました。
短時間なら問題ないかもしれないですけど、袂にしわができそうなので、やはり袖にきれいに畳んで(または丸める)入れた方が良さそうだと思いました。
裾の長さは、踏まない程度で長襦袢や足首が見えない長さに調節をしてください。 長くも短くも自由に調節できるのが、二部式雨コートの良いところです。
普通の着物(小紋や紬・付け下げ等)用の雨コートを振袖で着た場合には、帯の分だけ幅を取るのでボタンが留まらないこともあるかもしれません。 そんな時は仕方がないので、 内側の紐を結んで、ボタンは1番上だけ(もしくは留まるところだけ)かければ良いと思います。
雨コートの裄が足りなくて、振袖の袖口が出てしまう時には、コートの袖の中で振袖の袖をつまんでください。 袖口を内側に折り込んでも良いです。
とにかく、着物を濡らさないことが大事です。 成人式の日に雨や雪が降った場合、多少雨コートの着方が変でも「おかしい」という方はいらっしゃらないはず。 振袖が雨・雪で濡れて残念な着姿になるよりも、多少変でも雨コートで対策している方が絶対良いです。 屋内に入ったら、脱いでしまえば問題なしです!
二部式の雨コートは、大体4000円前後で買えるようですが、成人式の備えだけで購入するのは勿体ない気もしますので。 お家の方と兼用するとか、 いずれ着付やお茶などのお稽古をされる予定があるのならば、購入を検討されても良いかと思います。 撥水加工が落ちてきたら、自分で防水スプレーをかければ長く使えます。 流行り廃りのあるものでもないので、ご結婚後も使うつもりでどうぞ。
いろいろ雨コートを探してみて、「振袖用に良さそう!」と思ったのは↓こちらの商品です。
成人式の日がめでたく晴天であった場合、使わなかったら、メルカリやヤフオクで売るという手もありますね♪ きっと、すぐ売れてしまう気がします。
防寒コートで代用する場合。
着物用の雨コートは持っていないけど、防寒用のポンチョやマントなら持っているという場合は、雨用の裾除け部分と組み合わせて使っても良いと思います。
振袖の上に上着を着る場合には、帯は「つぶれにくいカタチ」の変わり結びを締めていただくようにしてください。 硬い芯の入った帯でしたら、 このくらいの羽があってもつぶれたりはしませんでしたが、最近の袋帯は柔らかいタイプのものが多いので、コートを着ると帯結びの形が変わってしまうかもしれないです。
■帯芯が硬いのでくずれませんでしたが、柔らかい帯は要注意です。
雨や雪の日のショール(ストール)
成人式・振袖のショール(ストール)と言えば、ふわふわの水鳥タイプが主流ですね。
■2013年の写真ですが、今でもダントツ「水鳥タイプ」が人気です。
レンタルコースもこの「水鳥タイプ」がのスタンダードですが、実はとても「雨雪に弱い」という弱点?があります。
一旦びょちょびちょに濡れてしまうと、少しくらい乾いたところで元のように「ふわんふわん」には戻らないので注意が必要です!
ドライヤーの熱風で乾かしたりすれば戻るかもしれないですが、一度濡れると若干感じが変わってしまう危険があるので、極力濡らさない方が無難です。
通常ショール・ストールは、室内では外すものですが、広くて寒い成人式の式典会場では、外さずに方に掛けたままのお嬢様が多いです。 雨や雪の日だったら なおさらかと思います。
そんな時に濡れてショモショモになったショールのままでは、逆に寒さが増してしまいますので~ 外での移動はウールやアクリル、毛皮などのショールを使って、掛け換えることを オススメします。
フォックスやミンクなどの、毛皮系なら濡れても戻りやすいです。 振袖のショールについては、別ページでご紹介させていただきますね。
■フォックス・ショールの一例
雨の日の足元対策は、次のページに続きます。
成人式振袖の雨対策足元編
成人式が雨・雪だった場合の備え「雨草履」や「足袋」「傘」など。あると良いものまとめ