足袋。足袋の種類と用途・季節等による選び方。足袋の手入れ(洗い方)足袋の履き方

足袋について。

足袋の種類と用途・季節等による選び方。足袋の手入れ(洗い方)足袋の履き方


 

足袋の種類。色柄・素材などによる用途の違い

お祝い事(フォーマル・セミフォーマルシーン)で着る着物には、通年で「白い足袋」を履くのが一般的ですが、 白足袋の素材は「キャラコ・ブロード・ストレッチ素材」等いろいろあります。

裏地の素材も「ネル・さらし」等がありますし、こはぜの数も違っていたりしますので、どれを選んだら良いのか?ちょっとわかりにくいですね。

ということで、足袋について調べてみました。 

礼装・正装用「白足袋」について。

新郎新婦が和装で履く足袋は、正絹素材の「白羽二重(しろはぶたえ)」という特別な足袋を用意すると良いという話も聞いたことがありますが。

花嫁花婿さんの足袋

最近では絹の足袋を履くことはあまりないと思います。 木綿足袋の最高級品「キャラコ足袋」が、正装・礼装用となっているようですので、 婚礼衣装・留袖・振袖・訪問着・色無地などのフォーマル・セミフォーマルシーンの着物で履く足袋は、キャラコの白足袋で大丈夫かと思います。

ブライダル等で指定がある時は、指示に従ってくださいね。

綿足袋:キャラコとブロードの違い。

木綿足袋には「ブロード」という足袋もあります。

一見キャラコととてもよく似ている足袋ですが、両者の違いは「経糸と横糸の打ち込み本数」であるそうです。
どちらも平織りの一種であるそうですが、キャラコ足袋は、縦横の糸が均一で目が詰まって織られているので、高級感があるんですね。

綿ブロードは、横糸よりも経糸の打ち込み本数が多くなっていて、縦方向(甲に向けて)多少の伸縮性があるため動きやすいという特徴があります。  見た目もさっくりとカジュアルな印象の綿ブロードなので、普段履きやお稽古事用の足袋として人気です。

綿ブロード

どちらも「さらし裏」と「ネル裏」があるので、季節によって履き分けると良いと思います。
現在キャラコ足袋が手元にないので「綿ブロード足袋」の画像だけで恐縮ですが、一例として掲載しますね。

■綿ブロード・さらし裏

綿ブロードさらし裏の足袋
綿ブロードさらし裏足袋

■綿ブロード・ネル裏

綿ブロードネル裏足袋
綿ブロードネル裏足袋のアップ

ネルの「裏起毛した足袋」の方が暖かいので、冬の使用に向いていますが、好みなので夏に使っても構いません。 足袋の裏地は、季節の決りはないそうです。

刺繍の白足袋とストレッチ素材の足袋。

成人式の振袖や卒業式の女性袴、七五三3歳・7歳の祝い着に合わせると可愛い「刺繍のついた白い足袋」があります。
ワタシは持っていないので、楽天市場さんのイメージ画像を掲載しますね。

■振袖・卒業袴などに穿く、刺繍足袋

■七五三やジュニア袴に合う「こども用」の刺繍足袋。(ストレッチ足袋)

刺繍半衿と同様に、金糸・銀糸の入った「縁起物」を刺繍したような足袋は、晴れ着用かと思いますけど。

「刺繍足袋はお祝い用」と限定されている訳ではないので、デザインによっては小紋や無地の他、紬、木綿といった普段着用の着物でも使えます。

刺繍足袋を履く年齢にも決りがある訳ではありませんが、つま先に刺繍が入ったタイプは、お若い方が履いた方が似合いますね。 

昔の着物の本を見ていると「くるぶしや足のかかと」に刺繍が入った足袋もありまして、「これなら目立たないので、年配者でも!」と思いましたが、今はほとんどがつま先刺繍の ようでして。  足首に刺繍の足袋を探してみましたが、残念!見つかりませんでした。

  個人的には、年齢のいった女性はビシッと白い足袋を履くのがカッコイイ!と思っておりますが、お洒落着用なら刺繍足袋も素敵に見える気がします♪

刺繍の入った白足袋は、綿足袋の他、ストレッチ性の足袋もあります。 どちらを選んでも構わないと思いますが、見た目の「きちんと感」で言うなら やはり綿キャラコの足袋ですね。 履きやすさで言うなら、ストレッチの足袋と思います。

白無地の足袋にも言えることですが、高級感は断然綿キャラコの方が勝っています。 でも綿の白足袋をシワなくきれいに履くのは、思いのほか難しかったりするんですよね。
特に外反母趾があったり、足の指が長かったり等足にくせがある方は、足袋で足が痛くなるということもあるかと思います。

その点伸縮性と柔らかさのあるストレッチ足袋は、足袋を履きなれない人でも心地良く履いていただけますから、最近はこちらを勧められることが多いようです。

◆ストレッチ足袋のイメージ

ストレッチ足袋

成人式や卒業袴のレンタルセット(小物セット)にも、ストレッチ足袋が入っているのをよく見ますので、なんとなく「若い人向け・着物を着慣れない人向け」といった イメージが、ストレッチ足袋にはあるんですよね。(ワタシだけ?)

もちろんワタシのようなアラフィフでも、普段用の着物にはストレッチタイプを便利に履いておりますが。 四十路を過ぎてフォーマル・セミフォーマルの着物を着る場合には、 ぜひ白いキャラコの足袋を履いていただくと良いなーと思います。

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普段着用の色足袋・柄足袋。男性用の黒繻子足袋。

下の写真は、普段着物用の柄足袋=「小紋足袋」です。

柄足袋

小紋足袋の他、色付き地の「色足袋」というのもあって、紬・ウール・木綿・小紋といった「普段着用の着物」に合わせてお使いいただけます。

木綿・ストレッチ・麻・別珍といった素材の足袋がありますので、季節や着物によって選んでください。

下の写真は「黒繻子(くろしゅす)」の足袋で、男性の普段着用です。

黒足袋

基本的には男性用の足袋ですが、サイズが合えば女性が履いても構わないそうです。 普段用なので、特に制限はないんですね。

ワタシは、雨の日用にと思って買いましたケド、下駄を履いたら素敵だと思うので、雨じゃなくても履いてみようと思っています。

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普段着・夏用の麻足袋・レース足袋

木綿の白足袋は、1年を通して履ける足袋となっていますが。 涼し気な夏用として、麻やレースといった素材の足袋もあります。  ただし、麻やレースはおしゃれ着・普段着用の足袋なので、礼装・正装にはキャラコの足袋を履いてください。

■麻の足袋のイメージ

麻の足袋
麻の足袋のアップ

■レースの足袋のイメージ

レースの足袋

※通年使える木綿タイプのレース足袋もあります。

浴衣を着る際は素足に下駄が基本ですが、足袋を履いて浴衣を着ても大丈夫です。 白木の下駄の指あと防止や、室内に上がる際には足袋を履かれる ことをおすすめします。

そんな時に、涼を誘う麻やレースの足袋は良いですね。 
名古屋帯を締めて衿付きで着るカジュアルな夏の着物にも、良く合います。

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・足袋と足袋カバー、足袋ソックスの違い。

一般的な足袋とは別に、重ねばき用の足袋カバーやインナー足袋、湯上りに穿く足袋ソックスといったものもありますので、ご紹介します。

足袋カバーについてと使い方。

足袋カバーは、ストレッチ足袋をさらに薄くしたようなもので、足袋の上に重ねて履きます。 

◆こはぜ付きの足袋カバーの例

足袋カバーの例

足袋の代用品として「1枚でも履けるタイプ」もありますが、基本的には足袋の上に重ねて履くものが「足袋カバー」です。

足袋カバーには、こはぜ付きのもの・ゴム口のもの・撥水加工されたものなどがあり、足袋の汚れ防止の他、 予備の換え足袋として・冬の寒さ対策として等、いろいろな用途で使えますので、1足お持ちになると便利かと思います。

昔ながらの着物のマナー本には、「他所のお宅に訪問する際は、玄関先でキレイな足袋に履きかえる」と書かれていたりしますけど、実際にやってみたことがありますが、 奥へ通される前に足袋を履きかえるのは、かなりしんどいです。 呼び鈴を押す前に外で履きかえるというのも、無理があります。

じゃあ、どうする?・・・・・・というお話ですが、あらかじめ足袋カバーを重ね履きしておいて、草履を脱いだ際に足袋も1枚すっと脱ぐ!
これが1番スマートなのではないだろうか?とワタシは思っています。 足袋の上後から履くより、1枚脱ぐ方がスムーズです。

ただし。 以前著名な着付けの先生にお伺いしてみたところ「アナタ、普段洋服でお友達のお宅に上がる際、靴下を履き替えたりしているの? 足袋だったら 履きかえる訳?」とご指摘いただき、「なるほど、靴下だったらそんなことしないよなぁ~」と思ったことがありました。

ということで、足袋が汚れてしまったら履きかえた方が良いですが、キレイだったら無理に変える必要はないようです。 もちろんケースバイケースでは あるでしょうけど。 ご心配な場合には、2枚履きするか・予備の足袋をお持ちください。 

普通の足袋に重ねる場合も、足袋カバーを簡易足袋として履く場合も、普段着だったら良いですが、フォーマルシーンには向きません。 
道中の移動時は履いていて構いませんが、会場に入る際には外してください。

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インナー足袋についてと使い方

インナー足袋は、足袋の中に重ねて履く「防寒足袋」です。「ヒートテック」の足袋バージョンという感じ。

インナー足袋・ひーとふぃっと

足袋に足袋カバーを重ねても良いですが、お好きな方をどうぞ。

草履の場合、つま先が結構冷えるので、寒い時期にはおすすめの和装アイテムかと思います。

■ロングタイプの足袋インナーもあります。

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足袋ソックスについてと使い方。

足袋ソックスは、足袋のように足先が2つ割れた形の靴下です。 家の中でだけでなく、外出時にも履けるタイプもあれば、旅館でいただけるような湯上り用の薄手タイプもあります。

足袋ソックスの例

ワタシが持っている足袋ソックスは、薄手の湯上り用なので外出には向きませんが、足袋カバーやストレッチ足袋のINに履いて、寒さ対策やシワが寄る場合の サイズ調整等には使えます。

色柄付きの足袋ソックスは、木綿やウールの普段着着物に合わせて履くと可愛いです。 (正装・礼装には使えません)

お子様用の足袋ソックスもありますので、足袋を履くのを嫌がる三歳・五歳さんには、ソックスタイプが良いかもしれません。 
お子様でしたら「お祝い着」に合わせても、問題ないと思います。

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・足袋の部位の名称。

足袋の部位の名称を調べてみました。

足袋の部位の名称

足袋のコハゼは、3枚~4枚のタイプがあって、5枚コハゼは、4枚コハゼより、踵尻が1.5cm長くなっているとのこと。

フォーマル用には5枚、普段用には4枚コハゼが良いと言われていますが、特に決まっている訳ではないので、履きやすい& 見た目の良い方を選んでください。

お茶席など正座を長くする場合には、締め付けが楽なので4枚コハゼの方がおすすめです。

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足袋の履き方。こはぜの掛け方。

基本的な足袋の履き方です。

1:足袋を履く方の脚を前に出して、縦膝をします。
足袋履き方1

2:足袋は、こはぜを外して半分くらい折り返しておいてください。
足袋の履き方2

3:足袋に足を入れたら、まず、つま先をぴっちりと合わせましょう。
足袋の履き方3

4:足首に向かって折り返した部分を戻しつつ、かかとをしっかり足袋の踵に合わせます。
足袋の履き方4

5:足の甲のシワをキレイに整えてから、こはぜは下からとめてください。
掛け糸の上から下へ、くぐらせるようにしてこはぜをかけます。
足袋の履き方5

※下の写真はあまり良い見本ではありませんが、なるべくピタっとシワのない状態で履いてください。

足袋の履き方6

こはぜは、掛け糸に2本かけても、内側1本だけかけても構いません。 足袋のサイズ感で、ゆるくない(きつくない)ようにしてください。

◆足袋の履き方・こはぜの掛け方を動画で。

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・足袋の選び方。足に合っているか?のチェックポイント

木綿の足袋は洗濯すると少し縮みますが、履くと少し伸びて良い感じにピタっとなじんで、シワが出ません。 
このようにしてシワ・たるみのない状態で履けていると、足袋が美しく見えますが、きつすぎると指先や甲が痛くなったりしますので、足に合った足袋を 選ぶことは大事です。

◆足袋の選び方とチェックポイント

  • ・足の指先は余ってませんか?(足袋が大きい)
  • ・足の指が曲がってませんか?(足袋がキツイ)
  • ・甲にたるみはありませんか?
  • ・カカトの位置が合っていますか?
  • ・こはぜを正しくかけているのに、外れたりはしませんか?
  • ・こはぜを掛けて、変なツレができていませんか?
  • ・足首はきつくないですか?
  • ・足袋の底(足の裏)に違和感はありませんか?

市販の出来合いの足袋は、S・M・L・LLといったサイズ感になっていることが多いです。 目安としては、靴と同じか少し(5ミリ)小さいサイズを選ぶと良いと 言われています。

でも実際には、足袋のメーカーさん・素材に寄ってもサイズ感はかなり変わりますので、試してみないとわからない気もします。

片足だけサイズが大きい・外反母趾がある・甲高であるなど、市販のサイズが難しい場合には、サイズの豊富なメーカーの足袋を選びましょう。
少しくらいなら、ストレッチ性のある足袋で解消できると思います。

福助さんの足袋5型

「ふっくら型」「ゆたか型」「なみ型」「ほそ型」「ささ型」

既製品の足袋がどうしても合わない時には、オーダーメイドで足型から作っていただくこともできます。 以下に、オーダーに対応してくださる 足袋屋さんの一例をあげておきます。

オーダーメイドで足袋を注文できる足袋屋さん。

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・足袋の洗い方とお手入れ

足袋を脱いだら、すぐに洗剤を溶かしたぬるま湯(または水)に浸しておきましょう。 洗うのは翌日でOKです。

足袋の洗い方・干し方・アイロンがけについては、別ページに詳しく書きましたので、こちらでどうぞ。

足袋のお手入れ

足袋の手入れ

足袋の洗い方・干し方・アイロンがけについて

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・足袋を買う場所

足袋をお得に買うならどこが良いか?を考えてみました。

呉服屋さん・百貨店で買う

礼装・正装に使うのであれば「白いキャラコ足袋」が良いですね。 お得感があるのは、呉服屋さんの店頭セール(ワゴン)や 展示会・催事でキャンペーン価格になった足袋だと思います。 

ただ、呉服屋さんで足袋を買うのって、ちょっとハードル高いってこともあるかもです。 いろいろ話かけられて帰りにくくなってしまったり、 「お知らせを送りますよ」なんて、住所や電話番号を書かされちゃったり・・・・・・足袋だけ買うなら、百貨店の催事の方が買いやすいかもしれないですね。

いずれにせよ、足袋だけ買って悪いことは全然ないので、無理にお付き合いをする必要はありません。 「急いでるのでまた今度!」と言っておいとましちゃって 大丈夫です。

逆に何か疑問に思っていることや不安なことがある場合には、足袋を買うのを良い口実として、お店の方に相談してみることをお勧めします。

ネットで買う

楽天市場・ヤフーショッピングといったネット通販で「キャラコ足袋」と検索すると、700円くらいから4000円くらいまで、いろいろなタイプがありました。

さらし裏・ネル裏、4枚こはぜ・5枚こはぜ、あとはサイズによっても価格が違ってくるようですが、やはり福助・えびす足袋・ガクヤ・きねやといった足袋屋さんが 作っている足袋は質が良さそうに思います。

ストレッチ足袋なら、東レさんのがおすすめです。

「高級キャラコ足袋」と書かれていても、お安いものは生地が薄かったりするようなので、お気を付けになってください。 身内だけでの お宮参りや七五三の付き添いといったシーンであれば、普段履き用の白いブロード足袋でも良いのではないかと、個人的には思います。

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ヤフオク・メルカリで買う

意外と穴場なのが、ヤフオクやメルカリで売られている「未使用品の足袋」です。
新古品=中古なので、当たりはずれはあるかもしれませんが、運が良ければ破格で希望のサイズが見つかることがあります。

欲しい時に見つかるというものではないので、まめにチェックする必要があるのが、面倒と言えば面倒ではあるのですけど。

ワタシはメルカリの「初めて購入キャンペーン1000P」「友人招待ポイント」利用で、綿ブロード足袋を2足ほぼタダ同然で購入したことがあるので、 ラッキーだったと思っています。

メルカリの足袋

まだメルカリにご登録の無い方は、招待コード利用で双方にポイントGETのチャンスがあるので、ぜひワタシのコードを使っていただけましたら嬉しいです。

◆ワタシのメルカリ招待コード:UPJEGV
https://www.mercari.com/jp/

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フリーマーケット・骨董市で買う

フリマや骨董市も、「未使用品の足袋」が破格で見つかる穴場です。

ただし、こちらも良いものが欲しいタイミングであるかどうかは運なので、いずれ使う予定があるなら「見つけた時に買っておく」というのが 鉄則ですね。

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