七五三祝着・お宮参りの掛け着「身上げ」加工。一つ身着物の腰あげ。
「一つ身着物」の腰あげについてです。自分でできる!身上げ・腰揚げの方法をご紹介します。
お宮参りで使った掛け着は、身上げをすれば七五三の3歳晴れ着としても使えます。 3歳用に一つ身着物を腰上げするところを動画でご説明しています。
腰上げのやり方動画1・寸法だし~印付けまで
まずは動画でご覧ください。
腰上げの寸法を計算する
一般的に、腰上げの寸法は『きもの身丈-着丈』です。 『着丈+あげ寸法の1/2』÷2 の所を腰上げ山にします。
最近の子ども達は脚が長くなっておりますし、腰揚げ(おはしょり)の位置が低いと、せっかくの着物の柄が隠れてしまったりもしますので。
ここでは、少し上めに腰上げを取るようにしています。 「身八つ口の下から2cm」のところに「縫い線」を持ってくるやり方です。(7歳では4センチくらいがオススメ)
お子さんの身丈を測る。
首の後ろのぐりぐり(背骨の1番上)から、足のくるぶしが隠れるくらいの位置までを測ります。
背中が反ってお尻が出ていると思いますが、巻き尺(メジャー)を使って、身体に沿わせるようにして測ると良いです。 紐や帯を締めるとその分「丈が上がってしまう」ので、床に向かってまっすぐ(垂直)に 測るよりは、身体の凸凹に沿わせるようにして測ってください。
着物の身丈を測る。
今回腰上げに使う着物(一つ身)の身丈は、97.5㎝でした。 着物の身丈は、後身頃の中心で、衿付け位置~裾までの長さを測ってください。
上げ幅を計算する。
今回は「3歳の標準身丈=70㎝」にすることにします。 97.5㎝ー70cm=27.5cm なので、28cmほど着物を短くすることにして、腰揚げ幅は「14㎝」とします。
腰上げの位置を取る(印つけ)
肩山から26㎝を取る。
肩山から身八つ口下までは24cmなので、2cm下の26cmのところへ、マチ針で印をつけます。
最初に両側の脇縫い位置で26cmをとり、物差しでつないで、計4カ所のマチ針を打ってください。
肩山から26㎝から、裾方向に28㎝を取る。
後身頃で、肩山から26㎝のマチ針から、裾方向(下)へ28cmとり、同じようにマチ針を打ってください。 肩山から54cm測っても良いです。 28cmの真ん中14cmの位置があげ山になります。
28㎝~裾までの長さを測っておきます。 この着物の場合は、44㎝となっていました。
前身頃と衽にマチ針を打つ。
子どもはお腹が出ているので、前は腰上げの位置を1cmほど下げます。
衿の位置(腰上げの端)で、裾から43cm(44cmから1cm下げるから)のところにマチ針を打ち、脇縫い線上のマチ針(裾から44cm)と斜めに結んでください。
※わかりにくい場合は、動画・その1をご覧になってくださいね。
腰上げのやり方動画2・あげ山を取って、縫い線にマチ針を打ち直す。
まずは動画でご覧ください。
あげ山を取ってマチ針を打ち直す際のポイント。
肩山から26cmと54cmの位置に打ったマチ針を合せて、縫い線のしるしとして2枚一緒にマチ針の打ち直しをします。その際のポイントです。
・脇線上のマチ針から打ち直す。
2.マチ針とマチ針を重ねて、別のマチ針で「マチ針の真下を刺す感覚」でとめる。
3.脇縫い上のマチ針は、キセのかかっている方(前身頃側)に針先を出してとめる。
4.二目落としを「裏側を見ながら縫う」場合は、裾を自分の手前に置いておはしょり(あげ)の裏になる位置にマチ針を打つ。
マチ針は、布地に対して垂直(まっすぐ)に刺してからとめます。
5.両脇のマチ針を打ち直したら、一箇所裁ち板(アイロン台で可)にピン止めしてから、マチ針とマチ針の真ん中、その真ん中・・・・と、布地を引きながら打ち直すと作業しやすい。
6.腰揚げの端(衿)の処理
下前側の腰上げの端(衿)は、ぴったり合わせずに下側を1cmほど出して、ちょっとズラす。 上前側はぴったり重ねる。
7.前身頃のマチ針を打ち直す。
衽のタックの取り方。
着物が裾広がりになっているので、衿を1cmずらしても、腰上げの下側はたるみができています。 このたるみは、衽部分でタックを取ってキレイに整えます。
衽でタックを2つ取る(前身頃側へ倒す)
あげ山から14cmを確認して、縫い線位置でタックにマチ針を打つ。
マチ針の打ち直しが終わったら、二目落としで縫います。
腰上げのやり方動画3・腰上げを二目落としで縫う。
いよいよ縫います。まずは、動画でご覧ください。
二目落としで「腰上げ」を縫う際のポイント。
縫い始め、縫い終わり、タック部分の返し縫いについてや、二目落としをキレイに縫うコツについてです。
縫い始め、縫い終わり。
縫いはじめと縫い終わりは返し縫をします。 玉どめは身頃の中に入れてください。
タック部分の返し縫い。
タック部分や脇縫いの縫い線上は一針返し縫をします。 返し縫したところは、二目落としの縫い目でなくて構いません。
二目落としをキレイに縫うコツ
二目落としは、裏を見て縫っても・表を見て縫っても、縫いやすい方で縫っていただいて構いません。 ワタシは裏を見ながら縫う方が縫いやすいです。 その場合、針の先を布に刺す際に、自分の左手指先にちょっと当てるようにして、チョンチョンと2回布地をすくうと、キレイな針目になると教わりました。
腰上げが縫い終わったら、次は肩揚げを上げます。
肩上げのやり方
七五三の肩上げのやり方。 掛け着の身上げ(一つ身)を使って、肩上げの仕方をご説明します。
【あわせて読みたい】腰上げ関連の記事いろいろ。
腰上げについて他にもいろいろ書いています。少し内容がかぶっていたりもしますが、主な記事のリンクです。こちらもご覧ください。
腰上げとは
着物>部位名称>こしあげ(腰揚げ・腰上げ)
「腰上げ(こしあげ)」は、着物の着丈の長さを調節するためにする揚げのことです。
子どもの腰上げ
姉妹サイト「キモノ-着るなら」に、1番最初に書いた腰上げの記事です。
簡単腰揚げやり方
子供ゆかたで、既存の腰揚げを利用して簡単なやり方とサイズ合わせをご紹介。