七五三祝着・お宮参りの掛け着「身上げ」加工。一つ身着物の肩あげ。
「一つ身着物」の肩あげについてです。自分でできる!身上げ・肩揚げの方法をご紹介します。
お宮参りで使った掛け着は、身上げをすれば七五三でも使えます。3歳用に一つ身着物を肩上げするところを動画でご説明しています。
肩上げのやり方動画1・寸法だし~印付けまで
まずは動画でご覧ください。
肩上げは「背中心~袖付までの「身頃の肩幅の中心(二分の一の位置)」にあげ山を取ります。
後身頃は、肩山から袖付止まりの位置までまっすぐ下ろして縫いますが。 前身頃は体の凸に対応させるべく、肩山から2/3~3/3の位置で1cmほど袖側にあげ山をずらして縫ってください。
◆前身頃は、袖側に1㎝ほど上げ山をずらす。
腰上げと違って、肩上げは左右対称にとるため、バランスよく縫うのが難しいです。
今回は「着物の肩上げ」は、マチ針を使って縫っていますが、長襦袢はしつけ糸を使って縫いました。 どちらの方法でも、縫いやすいやり方を使ってください。
※長襦袢の肩上げ・腰上げについては、別ページでご紹介します。
※姉妹サイト「キモノ-着るなら」で、浴衣の肩上げの縫い方をご紹介しています。 浴衣の肩上げの方がわかりやすいので、こちらもぜひご覧ください。
子供浴衣の肩上げ
子供の浴衣の肩上げについて。肩上げのやり方。簡単な縫い方など。
肩上げの寸法だし
お子さんの裄丈を測る。
首の後ろのぐりぐり(背骨の1番上)から、手の小指側の骨の出っ張りくらいの位置までを測ります。 この時、手は斜め45度の角度で下ろすようにしてください。
首のぐりぐりから肩まで、肩から手首までと、区切って測ると測りやすいです。 上の図の緑矢印はまっすぐ直線になっていますが、肩の部分は背中側で自然なカーブを描くように測ってください。
着物の裄丈を測る。
今回腰上げに使う着物(一つ身)の裄丈は、45㎝でした。 着物の裄丈は、背中心から袖口までの長さを測ってください。
着物の背中心をとる。
背縫いのある着物の場合は背縫い=背中心で良いですが、お宮参りの初着を使用する場合は背縫いがないので、左右の袖付位置を合わせて、衿付け位置で背中心の印(マチ針)をつけます。
上げ幅を計算する。
今回は「3歳の標準裄丈=37㎝」にすることにします。 45㎝ー37cm=8cm なので、肩揚げ幅は「4㎝」とします。
後身頃に上げ山をとる。
後身頃の肩上げは、肩山から袖付どまりの位置まで、上げ山をまっすぐ下ろしてしるしをつけます。
肩山と左右の縫い位置に、合計9本のマチ針で印をつけました。
前身頃に印をつけ、上げ山をとる。
前身頃の肩上げを取り、マチ針を打っていきます。
袖付どまりの位置まで肩山を取る。
肩山から袖付までを測ると8.5cmでしたので、袖付どまりの位置で8.5cmを測り、あげ山にマチ針で印をつけます。
さらに、真ん中あたりにもあげ山の印をつけます。
■寸法を取る時のポイント
袖付位置は、身八つ口の上で少し広くなっていますので、肩山と同じ位置から測るようにしてください。
肩山から袖付どまりを測り、上から2/3の位置を取る。
前身頃は、肩山から2/3の位置から3/3の位置へ向かって1cm脇へ肩山を外しますので、まずは肩山から2/3の位置を決めます。
3/3の位置で、脇側へ1cmを測ります。
肩山から、肩揚げ幅「4㎝」を取ります。
後身頃と同様に、肩上げ幅4cmを取ります。 上げ山は、肩山から2/3の位置から3/3の位置へ向かって1cm脇へ外してください。
腕を動かした際に、着物の身幅がつれるのを防ぐための「余裕を取る」という意味があります。
上前側。 マチ針を打ったところ。
縫い位置へマチ針を打ち直す。
あげ山をつまんで、マチ針とマチ針を合せて、縫い位置へマチ針を打ち直します。
あげ山から4cmのマチ針とマチ針を合せて、縫い位置にマチ針を打ち直します。
前身頃。上げ山を1cm外すやり方
あげ山を1cm外す際は、あげ山の裏側から指で凸を作るとマチ針を打ちやすいです。
わかりにくいので、動画に撮らせていただきました。 ご参考まで。
■【七五三・肩揚げ】前身頃の肩山を1cmずらす時のコツ
肩上げのやり方動画2・二目落としで縫う。
マチ針を打ち終えたら、二目落としで縫ってください。
先生の手元を撮らせていただいたので、二目落としを動画でどうぞ。
■【七五三・肩上げ】肩上げをキレイに縫う方法
左右の肩上げを均等に縫うのは、予想以上に難しかったです。
本ページでは「マチ針」を使って肩山を仮どめしていますが、マチ針で上手くいかない時には、しつけ糸で仮縫いすると 縫いやすくなります。 しつけ糸を使った肩上げの縫い方は、別途、長襦袢でご説明させていただきますね。
二目落としで縫う際のポイント。
針目のくる場所にマチ針を打っておく
ワタシはキレイな等間隔の針目で縫うことができなかったので、あらかじめ3cmづつの間隔で、縫い目の位置にマチ針を打つようにしました。 マチ針をまたいで一目づつ縫うと、等間隔の二目落としになります。
縫っている途中で、糸が足りなくなってしまった時は。
揚山の裏側で、二本取りのまま(4本糸)玉結びにして接いでください。
■【七五三・肩上げ】糸の接ぎ方
縫い始め・肩山・縫い終わりは三目落としで。
肩上げの「縫い始め・肩山・縫い終わり」は、三目落としにしてください。
裏糸は引きすぎず余裕を持たせて
二目落としを縫った際に、裏に渡した糸を引きすぎてしまう(目がキツイ)と、生地がつれてたるみになるので、糸は十分余裕を持たせておいてください。 二目落とし縫い方の動画を、ご参照ください。
縫い方のポイントは、腰上げのページもご参照ください。
腰上げのやり方
七五三の腰上げのやり方。 掛け着の身上げ(一つ身)を使って、腰上げの仕方をご説明します。
【あわせて読みたい】肩上げ関連の記事いろいろ。
肩上げについて他にもいろいろ書いています。少し内容がかぶっていたりもしますが、主な記事のリンクです。こちらもご覧ください。
肩上げとは
着物>部位名称>かたあげ(肩揚げ・肩上げ)
「肩上げ(かたあげ)」は、裄丈を調節する肩のつまみ(タック)のことです。
子どもの肩上げ
姉妹サイト「キモノ-着るなら」に、1番最初に書いた肩上げの記事です。
簡単肩揚げやり方
子供ゆかたで、簡単な肩揚げのやり方とサイズ合わせをご紹介。