小学校卒業式の着物と袴。着付けをするのに必要なもの。
小学校の卒業式で着ける「ジュニア用の卒業袴」の着付けに必要なものについてです。
小学生用の卒業袴を着付けするのに、必要なものは?
レンタルセットにはどんなものが入っているの?
■ジュニア袴のレンタルセットの例を2つ。(目的の場所へ飛びます)
先日、小学校卒業式の袴着付けを担当させていただき、「ネットのレンタルセットの内容は、店舗さんによっていろいろなんだなー!」ということがわかりました。
これからジュニア袴・レンタルセットをご検討される方・着付けをされる方へのご参考として、2例ほどセット内容をご紹介させていただきます。
ジュニア袴レンタルセットの例:その1
■ジュニア袴レンタルセットに入っていたもの。
- ・長着(身丈が長いタイプの着物)
- ・伊達衿(縫い付け済み)
- ・長襦袢・半衿付き。
- ・ワンピースタイプ肌襦袢。
- ・女袴(行燈袴)
- ・半巾帯
- ・腰紐2本
- ・伊達締め2本
- ・コーリンベルト(着物ベルト)2本
- ・帯板
- ・衿芯
- ・巾着バッグ
- ・足袋
- ・草履
※130サイズ(身長:145-154cm、袴丈:約87cm、裄丈約68cm
※4泊5日レンタル(着用日の3日前到着)
長着(身丈が長いタイプの着物)
ポンポネットジュニアのブランド着物です。
ちょっと長めで中振袖に近いお袖の長さがある二尺袖のお着物でした。
袴用の身丈の短い着物ではなく、帯を締めて十三参りにも使えるタイプの長着でしたので、お手持ちの袋帯で「変わり結び」の 写真を撮ったりすることもできますね。
今回は袴なので、おはしょりを長く取って、短め丈に着付けをしました。
伊達衿(縫い付け済み)
伊達衿は、重ね衿とも言います。 可愛いイエローチェックの重ね衿が、すでに着物に縫い付けられていました。
外れた状態でセットされてくるケースもありますが、このようにキレイにセットされていると、縫う手間が省けて助かります。
長襦袢・半衿付き。
半衿付きの長襦袢です。 ジュニア用は、裄丈に柔軟に対応できるようにと「袖なし」タイプの襦袢がセットされているケースもあるようですが、 こちらのセットは、きちんと着物と袖丈・裄丈が合っている長襦袢がセットされていました。
長着同様に身丈に長さがありましたので、腰紐で丈の調節をいたしました。
ワンピースタイプ肌襦袢
肌襦袢+裾除けではなく、ワンピースタイプの着物スリップでした。
スリップ丈102cm、バスト79~94cmです。
袴用にちょうど良いスリップ丈ですね。
女袴(行燈袴)
袴丈約87cmのジュニア用袴です。
帯位置の調節で、ブーツにも草履にも対応できる丈感でした。
半巾帯
レンタルセットの半幅帯と重ね衿は、色柄などは店舗さんおまかせ(指定できない)ということでしたが、可愛らしいピンクの半幅帯がセットされていましたよ。
腰紐2本
付属の腰紐は2本でした。
その他、コーリンベルト(着物ベルト)が2本と伊達締め2本が入っていましたが、補整等に使う余分は無いということですね。
今回は、補整用に紐を1本追加して、着物の腰ひもはママがお持ちだった「ウエストゴム」を使いました。
セットの腰ひもは、長襦袢の腰紐として・長着の胸紐として使用しています。
伊達締め2本
可愛いお子さん用の伊達締めが2本セットされていましたが、今回は長襦袢にマジックベルトタイプの伊達締めを使い、長着にはママがお持ちだった大人用の伊達締めを使いました。
単純に「ワタシがその方が着付けしやすかったから」というだけなので、替える必要はありませんが、着付師さんによっては「マジックベルトタイプが使いやすい」とか、 「博多の伊達締めが締めやすい」といった好みもあるので、もしもお家にあるのでしたら、予備にお持ちになっても良いかもしれません。
浴衣セットに入っているものでも使えます。
コーリンベルト(着物ベルト)2本
コーリンベルト(着物ベルト)が2本入っているのは、珍しいかも?
長襦袢と長着にそれぞれ使うことができますので、2本あるとありがたいなーと思いました。
帯板
帯板は、お子さんにちょうど良さそうな長さのものが入っていましたが、ワタシは使わずに済ませました。
・帯板を入れると、前かがみになりにくくなってしまうから。
・帯の上線は2㎝くらいしか出さないので、しわが目立つということはなさそうだから。
というのが↑理由です。 帯板を使うか使わないかは、ケースバイケースです。 お子さんの身長が高い(または袴丈が短い)など、 帯がたくさん出るような場合には、使った方が良いかもしれません。
衿芯
衿芯は、メッシュのタイプが入っていました。
「お子さんの着付けに、衿芯は使わない」という着付師さんもいらっしゃいます。 子どもは衣紋を抜きませんし、衿合わせも詰め気味に着付けるからです。
ワタシ的には、衿芯を入れた衿合わせの方が好きなので、長襦袢半衿の内側に入れて使用させていただきました。
巾着バッグ
とってもかわいい巾着バッグがセットされていましたが、残念! 卒業式の日に学校へ持って行くのは、布製のトートバッグ(レッスンバッグ)ということで、 前撮り時のみのご使用であったようです。
もしも当日巾着バッグをご使用になる場合には、あらかじめ「ハンカチ・ティッシュなどの必要なもの」を、巾着バッグに入れた状態で着付け場所に持参しましょう。 当日バッグの中身を入れ替える手間が省けます。
足袋
新品?のキレイなストレッチ足袋がセットされていました。
以前勤めていた写真館では「足袋は持参いただくか、お買い上げをお願いする」というシステムでしたので、へぇ♪と思いました。
薄手で伸びの良い足袋カバーのようなタイプで、靴下のようなゴム口なので、お子さんでも履きやすそうですね。
ただし、3月の体育館では足元が少し寒いかもしれませんので、ストッキングや和装タイツを併用されることをおすすめします。
草履
レンタルセットでブーツを選ぶ場合には、オプションで別料金がかかるシステムのようですが。 草履はフルセットの中に含まれているとのことで、 可愛いピンク色の草履が入っておりました。
今回は、お手持ちのブーツを使用されるということで草履はご使用になっていませんが、お子さんが履きやすそうなお草履でしたよ。
ジュニア袴レンタルセットの例:その2
■ジュニア袴レンタルセットに入っていたもの。
- ・長着(身丈が短いタイプの着物)
- ・伊達衿(縫い付け済み)
- ・長襦袢・半衿付き。
- ・ワンピースタイプ肌襦袢。
- ・女袴(行燈袴)
- ・袴下帯
- ・腰紐4本
- ・コーリンベルト(着物ベルト)1本
- ・衿芯
- ・巾着バッグ
※着物:151㎝〜175㎝で選べる4サイズから指定。
※袴:148cm~167cmで選べる8サイズから指定
※3泊4日レンタル(着用日の2日前到着)
長着(身丈が短いタイプの着物)
お嬢さん達に人気の水色。 古典柄のたちばなが可愛らしいですね。
二尺袖(小振袖)のお着物です。
袴用に身丈が短い長着でしたので、おはしょりを取る必要がなく着付けが楽です。
「袴に合わせる着物は、肩上げで裄サイズを調節するので、どの着物(大人用)を選んでも大丈夫」と謳われているショップさんのセットですが、今回は肩揚げなしで ばっちりな裄丈のお着物となっていました。
伊達衿(縫い付け済み)
こちらのセットも、キレイな重ね衿(だてえり)が、着物に直接縫い付けられていました。
伊達衿は衣紋抜きから飛び出さないように、ピンでとめるよりも縫い付けた方が安心です。 もしも縫われていない場合には、衿肩あきに軽くしつけで縫いとめておきましょう。
◆伊達衿は、着物の衿より出ないように付けてください。 5ミリ程度ひかえるくらいがちょうど良いかと思います。
長襦袢・半衿付き。
半衿付きの長襦袢です。 長着同様に袴用の短い丈で、きちんと着物と袖丈・裄丈が合っている長襦袢がセットされていました。 肩上げの調節は必要ありません。
袂から振りが出てしまうのが気になる場合には、袂に重りを入れるか、安全ピンや糸で袖の丸み(角)を一目とめておくと良いと思います。
ワンピースタイプ肌襦袢
肌襦袢+裾除けではなく、ワンピースタイプの着物スリップでした。
意外だったのは、サイズ感が大人用だったことです。 着物も長襦袢も袴用の短い着丈なのに、スリップだけ長いというのは惜しいですね~
着丈が床までありましたので、付け紐でおはしょりを取って、着物の裾から出ないくらいまで上げました。
もしも肌着は買取されるようでしたら、ちょうど良い長さ(丈)で縫ってしまうと良いと思います。 裾で上げるよりは、ウエストあたりで上げた方が補整の代わりにもなって良いですね。
お家に肌襦袢や裾除けがあるようでしたら、2部式をお使いいただいても構いません。
女袴(行燈袴)
帯位置の調節で、ブーツにも草履にも対応できる丈感のジュニア用袴です。
後紐の真ん中に、着崩れ防止用のヘラが付いていたので、気が利いてるなーと思ったのですけれど。
なんでかな? 袴の後ろを下に引いてしまうと、ヘラが抜けて後紐の上から飛び出してしまうことがわかったので、ちょっと注意が必要でした。
(事前にママが気づいてくださって、よかったです。)
袴下帯
こちらのショップさんも、帯の色柄は店舗さんおまかせ(指定できない)みたいですが、伊達衿とコーディネートされた袴下帯がセットされておりました。
腰紐4本
付属の腰紐は4本でした。
「伊達締めを使わずに、紐で着付けるというセットになっています」と書かれた紙が入っていましたが、今回は腰ひもを
補整に1本・長襦袢に1本・着物に2本使いまして、伊達締めも2本(マジックベルトタイプと平タイプ)を使わせていただきました。
「紐の本数は、少ないほど楽」ではあると思いますが、滑りやすい素材の時や丈を上げる必要がある場合には、紐や伊達締めを足して良いと思っています。
帯板の代わりに、芯の入った伊達締めを使用される着付師さんもいらっしゃいますので、伊達締めをお持ちであれば余分にお持ちいただことをお勧めします。
コーリンベルト(着物ベルト)1本
コーリンベルト(着物ベルト)は、着物(長着)に1本使いました。
袴用の着物の場合は、おはしょりを上げる必要がありませんので、長襦袢に着物ベルト(コーリンベルト)を使って、着物に紐を使うというのもアリです。
衿芯
衿芯は、よく成人式の振袖セットに入っているセルロイドタイプのものが入っていました。
この衿芯は振袖で使い慣れているものなので、ワタシ的には使いやすかったです。長襦袢半衿の内側に入れて使用しました。
巾着バッグ
こちらのセットにも、とてもかわいらしい巾着バッグがセットされていましたが、やはり「布製のトートバッグ(レッスンバッグ)」が学校の指定ということで、 当日お使いになることはなく、残念でした。
ご自宅に戻られた後、ぜひ着換える前に写真を撮っておいてくださいね♪
※その他、足袋もレンタルセットに含まれていたようですが、ブーツを履かれるということで、足袋は使いませんでした。
ジュニア袴レンタルセットが届いたら
ネット注文のジュニア袴レンタルセットが届きましたら、まずは注文内容と合っているかを確認しましょう。
- ・注文したサイズですか?
- ・セット内容は合っていますか?(不足はない?)
- ・注文した色柄ですか?
美容院や写真館などへお願いする場合には、前日までに荷物を持ち込み、できればお嬢様のサイズに間違いはないか?を店舗さんに確認していただくと良いと思います。
以前友人から「ネット購入した袴の丈が、前日に持ち込んだ美容院で“どうにもならないくらいに長すぎる”と判明し、大焦りで地域の貸衣装店でジュニア袴を探しまくった!」という 苦い体験談を聞いたことがあるからです。
卒業式当日の着付けは早朝となると思いますので、何か足りないものがあっても間に合いません。 事前の小物チェックは、必ずしていただくようにしましょう。
ジュニア袴の着付けをされるママや着付師さんへ
ご自宅でママが着付けをされる場合は、必ず事前に練習をしてくださいね。
知り合いのお嬢様をお着付けされる場合等にも、できるだけ事前に「予行練習」をされることをお勧めします。
事前に「予行練習」をするメリット
- ・サイズの確認ができる。
- ・足りないものが確認できる。
- ・補整の具合をチェックできる。
- ・紐の位置・きつさ加減を確認できる。
- ・着崩れ対策として、椅子の座り方やトイレの入り方を練習できる。
お子さんの着付けは、着崩れするのも心配ですが、「苦しい・キツイ」で気分が悪くなってしまわないか?という心配も大いにあります。
紐の位置による着心地の悪さ・締め加減に苦しさは、個人によって感じ方がかなり違うので、そのあたりを事前にチェックできると良いですね。
予行練習をさせていただいたとしても、やっぱり「お嬢様が着物を脱いで、お洋服に着替えるまで」は、心配で落ち着かないものですけれど~(苦笑)
七五三の着付けも同様ですが、大人と違って自分で対処してもらうということは難しいですし、我慢させることもできません。
「無事に終わりました♪」とご連絡をいただくと、「ああ、良かった~」と思います。
ぜひ、念には念を入れて臨んでください♪
連日にこやかに着てくださった、素敵なお嬢様方です。 どうもありがとうございました♪
ご卒業おめでとうございます!
【女の子卒業袴】インナーウエア・補整と寒さ対策
■レンタルセットに含まれていない「インナーウエアや補整グッズ」は、こちらをご覧ください