七五三男児用。懐剣の紐(飾り紐)が解けたときは?懐剣の紐の結び方・直し方
五歳(三歳)・男児の七五三祝いの晴れ着に使う「懐剣(かいけん)」の紐・飾り紐(菊結び)の結び方についてです。
七五三の祝い着で使う懐剣は、通常「袴」とセットになっていて、帯と袴の間に挟んで前帯左側に飾ります。
※撮影着物:らかんスタジオ町田店
3歳でお祝いをする場合も同様です。 ただし、3歳に5歳用と同じサイズの懐剣を使った場合、大きすぎて邪魔になるかもしれませんので、 写真撮影の時以外は、抜いておいてあげた方が良いかもしれません。
お兄ちゃんが使ったセットを利用する場合や譲っていただいたセットの場合は、懐剣の紐(飾り紐)が解けていたり、形が崩れていたりすることがありますね。 レンタル衣装を借りたのに、お子さんがうっかり解いてしまうということもあります。
■リサイクルで買った懐剣は、なんだかすごいことになっていました。
■完全に紐を解いてしまうと、こうなります。
ちなみに、懐剣袋の中には「何が入っているんだろう」と気になる方もいらっしゃるようですが、大抵は「段ボール紙」か「樹脂製の筒」のようなものが入っています。 残念ながら本物の刀は入ってないので、むやみに解かないようにしてくださいねー
本ページでは、男児の懐剣の紐が解けてしまった時の「結び直し」の仕方をご紹介させていただきます。
懐剣の房紐・菊結び
上の写真は、解けた紐を結び直したものではなく、元々の状態を撮ったものです。 ですので、これが「正しい懐剣の飾り結び」であると言って良いかと思います。 お守りの菊結びと比べると、少し「井桁の向き」が違っていますが、これは多分「裏表」の問題ですね。
右上の2本が横になっているお守りの方が正解(表向き)だと思うのですが。 まあ、この菊飾りの表裏が違ってたとしても、普通気づく人はいないでしょうから、あまり気にすることも無い気がします。 一応、表裏が違うと若干見た目が変わりますので、仕上げる際には注意して巻くようにしてくださいね。
以下に「簡単な菊結びと吉祥結びの結び方」を動画でご紹介しますが、簡単バージョンは若干解けやすいです。 より正しい菊結びの結び方(動画とPDF版)を後述していますので、スクロールして最後までご覧ください。
■簡単バージョン・菊結びと吉祥結び
※簡単な菊結びと吉祥結びは、組み方が逆になるので仕上がり方も「裏・表」になります。ひっくり返せば、どちらも同じに見えます。
菊結びを動画で。
簡単バージョンよりも解けにくい「菊結び」の結び方です。 市販の房紐は、こちらの結び方で結ばれているようです。
懐剣の紐は細くて作業がしにくいので、アイロン台にマチ針でとめながら結びました。 初めに太い紐で練習をして、ある程度手順を覚えてから挑むと楽にできると思います。
■【七五三】懐剣飾り紐結び方(男児児用)
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・結びぐせは、アイロンできれいにのばしてから結んでください。
・アイロン台を使うと、マチ針を刺すのに都合が良いです。
・房は、ラップで巻いてテープでしっかり留めておくと作業がしやすくなります。
懐剣の紐の巻き方を動画で。
菊結びを結んだら、懐剣に紐を巻き付けて仕上げます。 飾り結びは解けてないけど、巻きが外れてしまったという場合もあるかと思いますが、 以下の動画を参考としていただければ、幸いです。
■【七五三】懐剣飾り紐の巻き方(男児児用)
懐剣の紐の・結び方&直し方の説明
実際に、懐剣の紐を結んだ際の様子です。菊結びと巻き方。
懐剣の紐「菊結び」の結び方
1:左右の紐房の長さを揃え、右左の羽を作る。
・房紐と羽は、同じくらいの長さにします。
・10㎝くらいの長さが良さそうです。 マチ針で紐を固定しながら作業すると楽にできます。
2:房の紐を、右上へ。
3:右の羽を左へ。
4:上側2本の紐を下へ
5:左の羽を房紐でできた輪へ入れて右へ。
6:四方向の紐を、軽く引いて中心を締める。
7:右の羽を左へ。
8:下の羽を上へ。
9:左の羽を右へ。
10:房の紐(向かって右側の1本)を、左羽の紐の下をくぐらせて下へ。
11:上に残った房紐を、隣の紐の下をくぐらせてから、先に下ろした紐の隣へ。
12:今下ろした紐を、隣の縦2本の脚の間(赤線部分)に、脚の下側を通して出す。
13:左右の羽を引きながら、後にできた4つの輪を広げる。
14:菊結びの完成
合計6つの輪をバランスよく広げて、中心をきゅっと締めて。 上下の紐の長さを調節したら出来上がりです。
懐剣紐の巻き方
1:時計まわりに、紐を5回巻き付ける。
・後の作業がやりやすいように、何か挟んでおくと良いです。
・紐は下から上に向かって巻いてください。
2:5回巻いて6回目を巻いた紐の最下部へ押し出す。
※巻き付けた紐の隙間から、少しづつ下へ下ろしていくと良いです。
3:菊結びの表が出るよう、紐のヨレを直す。
4:菊結びのおさまりが良い位置まで、下部の紐を引く。
5:下の紐をひと結びして、巻きの中へ押し込む。
6:懐剣の紐の完成です。
・房紐の左右の長さが同じになるように調節してください。
・菊結びは、キュッと小ぶりに作った方が見栄えが良いようです。
懐剣の挿し方
男児・羽織袴の懐剣は、「帯と袴の間」に挿します。
地域・流派によっては「着物と帯の間」に挿すこともあるようですが、ワタシの知り合いの着付師さんは、皆さん「帯と袴の間に入れる」とおっしゃっていました。
白扇を挿す場合は、懐剣の向かって左隣(中心寄り)に扇面が正面を向くように刺してください。
懐剣(かいけん)
きもの備忘録:懐剣について。