十三参り着物の髪型。十三参りにおすすめの新日本髪を桃割れ風に。結う様子を動画でどうぞ。
姪の十三参り(じゅうさんまいり)です。
新日本髪を、愛らしい桃割れ風に結っていただきました。
熟練の美容師さんが、手早く新日本髪を結い上げる様子を、ぜひご覧ください。
■十三参り(じゅうさんまいり)髪型・新日本髪の桃割れ
新日本髪の桃割れを結う様子を動画で
新日本髪の桃割れ結い方(手順を簡単に)
動画と内容は同じですが、違う角度で撮った動画から切り出しました。静止画で見たい方向けに、手順ポイントの抜粋です。
1.髪をカーラーやアイロンで巻き、ブロッキングする。
毛量や毛質によっては必要ないかも?ですが、鬢(びん)や髱(たぼ)などを、部分的に巻くと結いやすくなります。
前髪(トップ)、サイド(びん)と分けておきます。2.根になる部分に逆毛を立ててから、まとめてたぼを整える。
最初に根にあたる部分に逆毛を立ててブロッキング。 襟足の毛でも内側に逆毛を立てて、たぼを整え預けた根の毛と合わせます。3.前髪とTOPを分けて、前髪をつくる。
今回は前髪をおろしますが、頭頂と前髪の間に、ふっくらとした日本髪の前髪を作ります。4.鬢に逆毛を立てて、すき毛を入れ、鬢をスプレーで固める。
鬢の内側に逆毛を立て、すき毛を丸めてアメピンで留めます。 鬢の髪の毛をすき毛にかぶせて整えて、ハードスプレーで形良く固めます。5.鬢の毛先を根の上に乗せ、アメピンでとめる。
鬢のカタチを整えながら、毛先を根の上にかぶせるように置き、アメピンでしっかりと固定します。6.反対側の鬢を作り、アメピンでとめる。
反対側の鬢も同様に作り、根の上で左右の毛先が交差するように置き、ピンでとめます。7.鬢とのバランスを見ながら前髪を作り直します。
前髪のボリュームとカタチを整えて、ゴムで縛って固定します。8.前髪・鬢・根の毛を束ねてゴムで縛る。
前髪・鬢・根の毛束をまとめて、髷をつくるためのゴムを縛る。 毛質や毛量によっては、元結(もっとい=日本髪用の髪紐)を使うそうです。9.毛束を2つに割って、すき毛を入れて髷を作る。
ポニーテールのような毛束を2つに割って、左右それぞれすき毛を入れて髷を作ります。 きれいなロールに髷を作って、毛先は見えないようにピンでとめます。10.髷の間にかのこを付ける。
今回は左右の桃割れなので、髷の間に乗るようにしてかのこを飾ります。11.花簪等の飾りをつける。
前髪の左右に花簪を。髷の前には、前挿しの代わりに花飾りを付けました。12.新日本髪・桃割れ風の完成
完成です。
その他のアングルや、違った新日本髪(十三参り)は、フォトギャラリーでご覧ください。
七五三用3点セットの簪を使った桃割れ風新日本髪
10年前です。 当時10歳だった姪(今はもう大学生です)に頼んで、七五三の晴れ着を着てもらって撮影しました。 その際も「桃割れ風新日本髪」を結ってもらい、三連の髪飾りを付けてもらいました。
当時の動画も、よろしかったら併せてご覧くださいませ。
■桃割れ風 新日本髪の作り方(2010年9月)
※美容師:ひとみ先生
新日本髪と桃割れについて
そもそも日本髪と新日本髪は、何が違うのか? よく聞く「桃割れ」という髪型って? というあたり、ワタシもそう詳しくないので、 ざっくりと調べたことを共有させていただきます。
日本髪と新日本髪
日本髪とは、昔ながらに決められたカタチに、決められた手順で結い上げた「本格派・正統派」と言うべき日本髪のことです。
鬢付け油(びんつけあぶら)を使い、「元結(もとゆい・もっとい)」と呼ばれる紙紐を使って、髪を束ねて髷を結います。
花嫁さんの髪型として知られている「文金高島田(ぶんきんたかしまだ)」も、日本髪の一種ですね。 自毛を油で固めて結うのは、とても大変なことだそうで、 現代では「カツラ」を付けるのが一般的です。
◆文金高島田のイメージ
※画像は画像ACさんで「日本髪」と探しました。文金高島田と思いますが、違っていたらごめんなさい。
対して新日本髪は、ヘアスプレーやワックス、すき毛や毛たぼを使って、現代の手法で結う「日本髪風」の髪型を言うそうです。
その人の髪の長さや毛量、使用する髪飾りや簪に合わせて、アレンジして作る日本髪ですね。
前髪をおろしたり、カラーで巻いた毛先を散らしたりと、今風に作った日本髪は「新日本髪」になります。
美容家・山﨑伊久江さんが考案された「やまと髪」の結い方が、講談社・きものとヘア'94で紹介されています。 花嫁さんの文金高島田によく似た感じの新日本髪です。
桃割れと桃割れ風
桃割れと桃割れ風も、正統派か・アレンジバージョンかという違いです。
ウィキペディアによると、「桃割れ(ももわれ)とは、江戸時代後期から昭和にかけて町人の娘に流行した女髷。」とのこと。 武家ではなく、 町娘の間で流行った髪型で、明治には今の女子高校生くらいの女性に人気があったと言われています。
髷の形が桃の実を割ったように見えることから、この名前があるそうですが、実は関東型と関西型があるようで。 髷の上部がくっついている桃割れと、上下が左右に分かれている桃割れがありますが、いずれにせよ現代で結ってもらうのは「桃割れ風」となりますね。
桃割れに似た髪型で、舞妓さんの「割れしのぶ」や「おふく」がありますが。 結い方が違うので、別ものになるとのこと。
◆舞妓さんの日本髪(割れしのぶとおふく)
花街伝統の髪型を一般の晴れ着(祝い着)に合わせて結うことはしないので、「舞妓さんみたいに♪」と希望される場合には【舞妓さん風の新日本髪】に なるということだと思います。
十三参り「新日本髪」の簪と髪飾り
今回、姪が使った髪飾りや簪と、ワタシが用意しておいた(使わなかった)髪飾りを参考までに。
使った髪飾り
つまみ細工の花簪と、縮緬地の赤いかのこに、美容師さんが造花を飾ってくれました。
3点セットの花簪は、多分七五三3歳用のものですが。 十三参りの髪飾りは、少し小ぶりの方が可愛いようで、あえてこちらを。
真ん中の前挿しは七五三以外では使わないものらしく、左右の簪だけを使用しました。
使わなかった髪飾り
以下はワタシが「十三参りにいいんじゃない?」と揃えた簪です。
日本髪と言えば「かのこ」と「ちんころ」。 色もいろいろ♪
後挿しの「平打ちかんざし」と「玉簪」も用意しましたが、残念、出番はなかったので、次に期待です!
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