友人や同僚の結婚式(披露宴)に招かれた際の着物について
お友達や会社の同僚など、ゲストとして結婚式(披露宴)に招かれた際に着る着物。
友人の結婚式に振袖を着る。
同級生・幼馴染・会社の同僚など、お友達の結婚式・披露宴にお呼ばれした際には、会場の雰囲気に「華を添える」ことになるので、振袖を着ると喜ばれます。
振袖の着物は、花嫁が着るような本振袖はNGですが、成人式で着た「中振袖」ならばOKです。
■成人式の振袖のイメージ
帯揚げ・帯締め・髪飾りなどの小物も、成人式用のセットで良いと思いますが、あくまで主役は花嫁なので「悪目立ちしないコーディネート」にしましょう。
帯結びは、「立て矢系の帯結びは、自分が主役の時にしか結べない」そうですので、避けてください。 お太鼓系・文庫系の変わり結びがお勧めです。
■立て矢系の帯結びの例(檜扇結びと二舞扇結び)
※自身が主役のシーン=花嫁・成人式・結納など
結婚披露宴ゲストの振袖。成人式用のショールは使える?
結婚式に毛皮はNGとおっしゃる方が多いのですが、実際は「マナー的には本来OK」なのだそうです。 ただし、会場ではクロークに預けてください。 個人的に、水鳥ショールは成人式のイメージが強いので、なんとなく合わないように思います。
結婚式・披露宴に着る「訪問着(付下げ)と色無地紋付」
結婚式・披露宴に着る「訪問着(付下げ訪問着)」
友人や職場の同僚といった立場で、結婚式・披露宴に紹介された場合には、訪問着や付下げ訪問着の着物がオススメです。
1つ紋や3つ紋の色留袖も、友人として着て行ける(既婚・未婚どちらでも可)着物ですが、なんとなく「色留袖=身内」というイメージが 定着している感があるということと、「親族として訪問着で出席される方がいらした場合に、色留袖だと追い越してしまいかねないということがあるので、訪問着の方が無難」という 知恵袋のご回答を拝見して、なるほどなぁと思ったことがあるんですよね。
実際のところ、ワタシは色留袖を持ってないので、主賓として招かれる・来賓としてスピーチするなどの理由がない限り、訪問着で出席するだろうと思います。
以前、披露宴の受付に立った際には、同僚の友人と共に訪問着を着ました。
■結婚式・披露宴で大活躍の訪問着(写真左がワタシ)
ワタシの持っている準(略)礼装着物の中で1番華やかに見える着物なので、披露宴はこの訪問着を着ることが多いです。
訪問着・付け下げ訪問着・付け下げの着物については、以下もご覧ください。
訪問着の着物
訪問着は、未婚・既婚を問わずに着ることのできる格の高い着物です。 絵羽模様に柄付けをした着物で、古典からモダンなもの・趣味的なものまでいろいろなタイプがあります。
付け下げの着物
付下げ・付け下げ・附下、どれも「つけさげ」と読みます。着物の柄が上向きになる模様付けがされているものを「付下げ」と言いますが、 中でも衿や衽で模様がつながっているものを『付下げ訪問着』と呼ぶそうです。 仮絵羽で柄付けする訪問着に対して、反物のままで柄を入れたものが付下げです。
結婚式・披露宴に着る「色無地紋付」
訪問着の他、三つ紋や一つ紋付の色無地紋付(または紋入りの江戸小紋)も、披露宴に着ることができる着物です。
■色無地・染め抜き日向紋・1つ紋の例
訪問着と色無地紋付では、どちらが良いか?というお話ですが、こと披露宴に関しては、訪問着の方が華やかさで優るので 「無紋であっても、訪問着の方がオススメ」という声の方が、圧倒的に多いようです。
訪問着と色無地紋付の格については、諸説あって一概に言えることではないようですが。
■訪問着と色無地紋付の格については諸説あります。
- ・一つ紋訪問着>三つ紋色無地
- ・一つ紋訪問着=三つ紋色無地
- ・無紋訪問着=三つ紋色無地
- ・無紋訪問着<三つ紋色無地
- ・無紋訪問着=一つ紋色無地
いづれの場合も、準礼装もしくは略礼装と書かれており、「礼装としての着物となる」ことは間違いないため、実際はどちらを着ても構わないと思います。
ただ、華やかでゴージャスに見える方が「なんとなく披露宴にはふさわしく見える」という見た目の印象はありますので、訪問着の方が おすすめとおっしゃる方が多い訳です。
ちなみに、塩月弥栄子先生の「冠婚葬祭事典」には、 『新郎新婦やその母親にとって、自分が目上の立場になるのであれば、色留袖の代わりに訪問着や色無地紋付のように“一段格の下がった礼装”で構いません』と書かれていました。
お歳を召した方の場合は、控えめに装って構わないと言われる所以ですね。
本には「招かれて披露宴に出席する場合、相手が目上の立場であれば『色留袖』のように格のある着物を着るのが礼にかなっている」とも書かれていますが、一方で前述 したように「血縁関係が薄い親族は訪問着」「招待客は親族を追い越さないようにする」という話もあるのですから、アラフォー・アラフィフ世代の女性にとっては、ちょっと悩ましいところですね。
年離れた(年下の)職場の同僚の披露宴に出席する場合など、あえて落ち着いた雰囲気にしたい場合は、色無地紋付に 気品のある袋帯を合せると良いと思います。
重めの帯を締めるのであれば、紋は儀礼的に見える染め抜き紋の方が合いそうですが、「染め抜き紋だと格が高くなって着用シーンが限られてしまう」という理由から、 誂えるのであれば着物と同色系の縫いの一つ紋が人気だそうです。
■染め抜き紋の例
■縫い紋の例(金糸と白糸)
レンタルするなら染め抜き紋が一般的かと思いますが、お手持ちの着物をご着用になる場合には、縫い紋でも良いと思います。
お洒落用の「しゃれ紋」は礼装にはなりませんので、平服指定のカジュアルな結婚式や二次会からにしておいた方が良さそうです。
今風「カジュアルウェディング」の着物
平服指定のカジュアルウェディング・披露宴等の場合には、軽めの訪問着・付け下げ、江戸小紋、色無地紋付といった着物がオススメです。
特に「平服」と指定が無い場合でも、レストランウェディングやガーデンウェディング等のイマドキな結婚式では、あっさりした柄ゆきのモダンな訪問着や付け下げがしっくりくることが多いようです。
ただし、カジュアルウェディングと言ってもその内容はいろいろなので、小紋やお召しといった礼装以外の着物の方が良い場合もあります。
洋装の出席者がフォーマルドレスではなく、ちょっとしたよそいきワンピースやスーツといった装いの場合には、振袖やきらびやかな訪問着では浮きまくってしまいますから、 着物も仰々しくならない装いをするのが良いですね。
あまりフォーマル感を出したくない時は、軽めの付下げや色無地紋付に名古屋帯を合せる等、トータルコーディネートでカジュアルダウンするという手もあります。
このあたりのさじ加減はとても難しい気がしますので、七緒のイマドキ「礼装」(vol.43)や、晴れ着を堂々と(vol.9)、きものの教科書(vol.36)あたりを参考にご覧ください。
どんな着物を着たら良いか?困った場合には、会場の美容室・衣装室、もしくは会場付近の美容院に「その会場のご来賓の皆様が、どのようなお召し物なのか?」尋ねてみると、 傾向がわかって良いかもしれません。
一緒に参列されるお友達や同僚がどんな衣装を着るのかを確認し、周りに合わせた着物を選ぶようにしてください。 「場の雰囲気や洋服の人たちとのバランス」は、 とても大事だと思います。
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