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腰パット(ヒップパット)ってどんなもの?
ヒップパットは、ウエストのくびれや背中の反り(凹み)を補整して、帯がキレイに締められる「寸胴体型」を作るために使います。
■ヒップパッドの例
補整をたくさんしてしまうと、着崩れの元になったり・暑かったり・太って見えたりしてしまうため、過度な補整は必要ないと良く言われますが、 記念撮影や振袖の着付時には、しっかりと補整をすることが多いです。
前撮りのように「撮影のためだけにする着付」の場合には、着崩れはあまり考える必要がない上に、見た目重視になりますから。 お尻の上に シワ・たるみができたりしないよう、パッドで凹みを無くすのです。
また、「振袖の飾り結び」は腰高に締めるため、ウエストがくびれていると帯が落ちて(下がって)きてしまいますので、補整をしないとかえって崩れやすくなってしまうと言えます。 なので、きっちり体型補整する必要があるんですね。
着付用の準備リストに「腰パッド」と書かれていない理由は、あえて購入しなくても、タオルや手ぬぐい・脱脂綿などで代用がきくからです。
普段から着物を着る習慣のある人は、多少高価でも良いヒップパットを購入されることをお勧めしますが、七五三や入学式の付き添いのママが、その時だけのために 腰パッドを購入するのは勿体ないですもんね。 腰パッド・ヒップパット等と書く代わりに、「薄手のタオル3~4枚」などと書いてあると思います。 タオルがパッドの代わりです。
なので、市販の良い腰パッドをお持ちでしたら、着物と一緒にお持ちになってみてくださいね。 ただし、タオルや脱脂綿と腰パッドを組み合わせて使う着付師さんも多いので、タオルの方も お忘れなく!
■洋服の上からで恐縮ですが、腰パッド+タオルの使用例です。
余談ですが、補整タオルや脱脂綿は、ウエストのくびれや背中の凹みに使うだけでなく、胸元の補整にも使ことがあります。
「ぽっちゃりさんは補整タオルなんていらないんじゃ?」と思われるかもしれないですが、胸の下(みぞおち)に段差がある場合や 背中が反っている場合等、部分的に使うことはあります。
補整用のタオルを用意される場合には、薄手タイプが少し多めにあると良いですね。 薄いタオルは、足りなければ足せば良いので分厚いものより使いやすいです。 逆にふっくらと高級感のある分厚いタオルの場合には、着ぶくれしたみたいになってしまう危険があるため、避けた方が無難です。
着心地重視の普段着物の場合には、「補整はしない」とおっしゃる方も多いですが、フォーマル・セミフォーマルの着物の着付けで、 タオルや綿を全く使わないという着付けさんは、お会いしたことがないような気がします。 タオルを巻くことで汗取りにもなりますので、使う方が多いですね。
自分で着物を着る場合には、タオルだけで補整をするのは難しいので、市販のヒップパットがあると良いと思います。
成人式用・振袖セットの腰パッド。
「振袖用の着付小物セットには、腰パッドが入っていることが多い」と前述しましたが、下の写真は大昔(30年前)にワタシが使った振袖用の腰パッドです。
いまだにあまり変わらない腰パッドがセットされているようですが。 実はコレ、「使いにくいから嫌い~」とおっしゃる着付師さんが多いんですよね。 なぜならば、お尻の上部に乗る部分に やたらと厚みがあるために、着物の表にひびくからです。
できるだけパッドとお尻がキレイにつながることが理想的なので、パッドだけポッコリと出っぱってしまうのは避けたい訳で。 その為にパッドの上に薄いタオルを乗せて段差を消したり、綿を足したり。 そもそもパッドは使わずにタオルを使う・・・・・・ということをします。
「弘法筆を選ばず・・・なんじゃ?」と言われてしまえば、それまでですけど~(苦笑) もしも、ご自宅に別の腰パッドがございましたら、両方お持ちになってみるのが良いと思います。
おすすめの腰パッド
あくまでワタシの主観ですが、ご参考まで。
装道ヒップパット デラックス
■ワタシが買ったヒップパットは、装道「ヒップパット デラックスのLサイズ」です。
装いの道のヒップパッドを選んだ理由は、以下の2点です。
- ・脇腹がメッシュベルトになっているので、タオルと併用しても厚すぎない
- ・ポケットの入ったパッドは、抜いたり・持ち上げたりと調節がきく
お尻とパッドのシルエットが、キレイにつながるところも気に入っています。
井登美・へちまパッド
装道ヒップパットを購入する際、どっちにしようか?とメチャメチャ悩んだのが、七緒(着物雑誌)でよく絶賛されている「井登美・へちま ウエストパッド」です。
へちまなので、通気性が良く・使い心地が良いと聞いて、ずっと欲しいと思っていた商品ですので、いずれ使ってみたいと思っています。
タオルを使った腰パットの作り方
浴衣(ゆかた)を着る際や、急遽着物を着るlことのなってしまった場合など。 ご自宅で簡単に作れる「腰パッド」の作り方です。
薄手のタオルを2枚使って、15分もあれば作れてしまうと思います。
腰パッドが完成したら、実際に腰に当てて微調整する。
1:腰パッドの下部が出っ張らないか? ボリューム感はどうか? をチェックします。
パッドの下線が少しモッタリして厚みが出たので、タオルの▲に折り込んだところを、2つ重ならないようにずらしました。
※縫ってから微調整しようと思うと、せっかく縫った糸をほどかないといけなくなるかもしれませんので、崩れないように注意しながら、縫う前にチェックすると良いかもしれないですね。 ワタシは、少し解くことになっちゃいました。
背中の凹みがまだあったので、手ぬぐいを足してボリュームアップしました。
前にタオルを入れる際には、腰パッドの下に入れて一緒に押さえください。
↓前から見たところ↓
※腰パッドの注意点※
振袖の変わり結びのように「帯がお尻の上にかぶらない場合」には、おはしょりより下にパッドがこないように長さ(位置)を調節してください。 おはしょりより下に パッドがあると、着物の表面にひびきます。
タオルにハサミを入れると、ボソボソと糸くずが出ますので、注意してください。
■大きく作ると太って見えたり、お尻が大きく見えてしまうので、小ぶりに作る方が使いやすいと思います。 体形は人によって違いますので、合うように調節してくださいね。
■タオルのボソボソが気になる場合は、晒布を外側に使うと良いです。
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