伊達締めと伊達巻きの使い方7種

伊達締め(だてじめ)と伊達巻き(だてまき)の使い方について

着物の着付に必要な「伊達締めとは」の続編です。
伊達締め・伊達巻きの使い方をいくつかご紹介します。


 

伊達締めを長襦袢に使う

伊達締めの使い方に「こうしなくてはいけない」という決まりはないので、使いやすいようにお使いいただいて構いません。 よく見かける使い方を、いくつか ご紹介いたします。 まずは長襦袢編です。

【長襦袢】胸紐の位置で使う

長襦袢に使う場合、衿を合せたコーリンベルト(または胸紐)と併用して、アンダーバストのあたりをおさえるために使うことが多いです。

■コーリンベルト+マジックベルト伊達締めの例
コーリンベルトと伊達締め

■胸紐+マジックベルトの伊達締めの例
長襦袢伊達締め

マジックベルト締める時は、前にベルトの端を持ってきてテープを留めても構いませんが、押さえたいところ(衿合わせ)に伊達締めの中心を持ってくる方が、 キレイに締めることができます。

伊達締めは、博多織等の結ぶタイプを使っても構いません。

■コーリンベルト+博多織伊達締めの例
コーリンベルト+博多伊達締め

博多織の伊達締めは、中心を前に当てて後ろで交差し、片側を折り下げる(または折り上げる)ようにして、紐端を前に回します。

博多伊達締め締め方

衿を押さえる伊達締めは、一度胸の上に当てて、スーッと下におろすようにして締めます。  前は、伊達締めの下部で2回絡げてから、左右に交差させて、紐端を伊達締めの中に仕舞い込んでください。

上から着物を着ますので、結ばなくても大丈夫です。絡げた紐が解けることはありません。

伊達締めが「胃」の上でギューーー―っと締まっていると辛いです。 あばら骨に結び目が当たるのも嫌な感じがしますので、あまりギュウギュウと 締めすぎないようにしてください。

【長襦袢】着物の腰紐位置で使う

伊達締めを、着物の腰紐位置で使う方法は、マジックベルトタイプの伊達締めに向いています。 

伊達締めで下地を作るイメージですね。 着物(長着)の腰紐(ウエストベルト・ウエストゴム)が身体に食い込むことを防ぎますし、紐(ゴム)が安定するので、 腰紐によるシワが出にくくなって、キレイに締めることができます。

■コーリンベルト+胸紐+マジックベルト伊達締めの例
マジックベルト伊達締め使用例

ゴムベルト(腰ひも)を締める位置に、マジックベルトを付けてください。 マジックベルトの長さの真ん中を体の中心に置いて、後ろで交差すると良いです。

コーリンベルトだけでは衿元が動く心配があるため、ワタシは胸紐もかけていますが、胸紐だけ・コーリンベルトだけにしても構いません。

【長襦袢】和ブラいらずの鳩胸作りに使う

キモノサローネ・吉澤暁子さんの「やせ見え補整講座」で教えていただいた使い方です。

■鳩胸作る伊達締め
伊達締めで鳩胸

バストトップが伊達締め(幅)の真ん中にくるように当てて締めることで、お胸のお肉を上に持ち上げて、キレイな鳩胸を作ってくれます。

和装ブラが苦手な方、お胸にボリュームがある方におすすめの使い方ですが、薄手の着物だと表にひびいてしまうので(もしくは透ける)、少し地厚の着物を着る際に お試しください。 詳しくは姉妹サイトでご覧ください。

伊達締め鳩胸の作り方

やせ見え補整講座~by吉澤暁子きもの着付け教室

「きものサローネin日本橋」吉澤暁子先生の《やせ見え補整講座》で、タオルを使ったウエスト(胴回り)の補整と、西村織物さんの伊達締めを使った胸元補整を教わりました。

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【長襦袢】着丈の長い襦袢に使う

長襦袢の着丈が長い時に、おはしょりを持ち上げるイメージで、丈を短くする方法です。

長襦袢を短くする

■1:衿が動かないように、胸紐をかけておきます。 次に、上前側の身八つ口から手を入れて、 下前の衿先をつまみ上げます。

衿先を身八つ口から持つ

■2:下前の衿先と身頃をつまんだまま、適当な長さに裾を上げます。左右のバランスを見ながら上げてください。

襦袢の着丈を上げる

■3:後の着丈もつまみ上げてください。 長襦袢のたるみは、脇に寄せてタックを取ります。

襦袢の着丈を上げる・うしろ

丈を押さえる場合の伊達締めは、下方向から、上へと押し上げるようにして当ててください。 後ろで交差させてから前へ回し、 紐端は2回絡げて始末します。

伊達締めで襦袢を上げる

着丈が長い場合には、伊達締めから長襦袢の揚げが出てしまいますが、構いません。 ただし、帯の上線位置よりも出てしまうような場合には、 伊達締めの上に乗っても良いので、折り下げておいてください。

この位置の伊達締めでしたら、キツク締めても苦しくないと思います。 長襦袢の裾が落ちてこないように、しっかりと締めてください。

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【長襦袢】振袖襦袢に使う

振袖の長襦袢の場合には「襟元をしっかりおさえる!」というのが大事なので、胸紐は最初「高めに&キツメに」締めます。

胸紐

襦袢の下前を引き上げながら、腰紐の位置に紐を締めて、裾が広がらないようにします。

腰紐

アンダーバストのあたりで伊達締めをしめたら、胸紐ははずすか、ゆるめて下におろしておきます。(胸の上に紐があると苦しいので、 伊達締めで衿元を固定したら、紐は外すか緩めて下に下ろしてください。)

伊達締め振袖

振袖の長襦袢の場合には、半衿を多めに出したり、衿合わせを詰め気味に・衣紋を多めに抜く着付けになるので、しっかりと 胸元を押さえるために、このような伊達締めの使い方をします。

伊達締めを締める前に、袖付けをきちんと合わせて。 背中のたるみは脇に寄せて、身八つ口でタックを取っておくとキレイに仕上がります。

伊達締めの前に

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きもの(長着)に使う

写真を撮影したのが夏だったので、イメージ写真のきものが浴衣やレースの着物で恐縮ですが。 フォーマルな袷の着物も単衣のきものも、理屈的には同じですので、振袖や付下げをイメージして ご覧ください。

【きもの】胸紐位置に使う

下の写真は、伊達締めを伊達巻きのように使って巻いた場合の例です。  重ね衿をたくさん入れた場合や、広衿を折った際にボリュームが出る場合、お胸がふくよかな方の場合など、衿合わせが浮かないように、 がっつりと押さえたい場合に使う方法になります。

■衿元(胸元)を押さえる場合。
伊達締めの当て方

※帯や帯揚げから見えるようなら、その部分は折り下げてください。

伊達巻にしろ伊達締めにしろ、衿元に伊達締めを締める際には、「胸の上部から体に沿わせるようにして、 下におろすように当てて締める!」というのが基本です。  長襦袢の時と同じですね。

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【きもの】おはしょりに使う

おはしょりが舟形(斜め)になすぎる場合や長すぎてしまう際には、おはしょりを持ち上げて伊達締めで押さえます。 長襦袢の着丈を上げるのと同じような感じで、伊達締めを 下から当てて締めるようにします。

おはしょりを上げる
おはしょりを上げる2

おはしょりを持ち上げるとタルミが出るので、左手側はタックを取り・右手側はおはしょりの中で仕舞い込んで、スッキリさせてから 伊達締めを締めてくださいね。 袖付け部分を前後合わせるのは、長襦袢の時と同じです。

おはしょりのタルミ

着物のおはしょりを上げる場合、まず仮紐でおはしょりをおさえておいて、その上から伊達締めを締めるとやりやすいと思いますけど。 使う紐は、できるだけ少ない方が楽ではあるので、 やりやすい・快適なやり方を探してください。

着物の着丈が長い場合、おはしょりがとても長くなってしまうことがありますが、帯から出たりしなければ、伊達締め上部に 上げたおはしょりが顔を出してしまっても構いません。 これも長襦袢の時と同じですね。

おはしょりが上から出る。

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伊達巻きの使い方

花嫁さんの着付けでは、下の写真くらい胸高に伊達巻きを巻くようですが、普通のフォーマル着物では、ここまでする必要はありません。  丸印のあたりは帯の上に出ますので、着物にひびかない用に、もっと下げて締めてください。

伊達巻き

ワタシは上から下へ3周巻いていますけど。 花嫁さんの帯下の場合には、上→下→真ん中となるように巻くそうです。

伊達巻を伊達締めの代わりに使用しても構いませんので、長尺の伊達締めとしてもお使いください。

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