【半衿付け】長襦袢の簡略タイプ「半襦袢(男物)」の半衿付け方。
普通は「長襦袢」を着ますけど。 七五三の男の子や、小学校の卒業式・十三参り(じゅうさんまいり)の男子であれば、略式タイプの「半襦袢」でも良いと思います。 お安いですし、洗えますのでお勧めです。
紋付袴の着物に合わせた半衿をつければ、身頃が晒のタイプで構いません。 半襦袢の半衿のつけ方をご紹介します。
■半襦袢の衿に「白半衿」を付ける。
半衿付け方
力布や三河芯は使いません。そのまま白半衿を付ける「簡単な半衿のつけ方」です。
1:耳から1cmのところへ印をつける。
- ・半衿は裏を上に向けて、ヘラ台にマチ針で固定します。
- ・耳から1cm測って、片側の端から端まで、適当な間隔で印をつけてください。
※必ず1cmと決まっている訳ではないので、臨機応変に2cm・3cmと変えても良いです。
2:半襦袢の衿巾を測る。
- ・半襦袢の衿巾を測ります。。
- ・今回は、4.5㎝でしたので、半衿は耳から10.5cm(4.5X2+1cm+0.5cm)に印をつけます。
初めに付けた1cmからだと、9.5cmのところになります。
3:耳から10.5cmのところへ印をつける。
- ・半衿は裏を上に向けて、ヘラ台にマチ針で固定します。
- ・耳から10.5cm測って、片側の端から端まで、適当な間隔で印をつけてください。
4:半衿の両端を折って縫い留める。
- ・半衿の両端は、ほつれ防止のため、裏側に1.5cmほど折って縫い留めておきます。
- ・縫い方は、表にチョンチョンチョンと小さな針目が出るように縫ってください。
5:半衿幅に合わせ、端(両耳)を印で折る。
- ・まずは1cmで折って、コテをかけます。
- ・次に耳から10.5cm測って付けた印で折り、コテをかけてください。
6:半衿を半襦袢に乗せて、マチ針で留める。
- ・半衿は、1cm折った方を表身頃に付けます。
- ・半衿長さの中心と背中芯を合せて、左右対称の長さにします。
- ・身頃の表に、半衿の表を上に置いてください。
- ・半襦袢の衿にかぶせるようにして、身頃のキワに縫いますので、白半衿が1mmくらい出るように留めてください。
- ・背中心を1番先にとめ、番号順にマチ針を打つと良いです。6番以降はお好きな順で構いません。
7:半衿を表身頃に縫い付ける。
- ・上の写真のように半襦袢をセットして、右手側から白糸で縫います。
- ・縫い始めは、一目返しておいてください。
- ・衿肩あき(緑矢印部分)は、細かく縫います。
※ワタシは本くけ縫いで付けましたが、半衿を外す予定がある場合は、大き目の針目でしつけのようにザクザク縫って良いです。 衿肩あきだけは、細かく縫うようにしてください。
8:半衿を折りたたんで、裏衿側をマチ針で留める。
- ・衿裏の半衿は、コテをかけて折った線に合わせて付けます。折り返しで余った分は、衿山にかぶせるように表側に入れます。
- ・背中心からマチ針で留めます。
9:半衿を身頃(裏側)に縫い付ける。
- ・上の写真のように半襦袢をセットして、右手側から白糸で縫います。
- ・縫い始めは、一目返しておいてください。
- ・衿肩あき(緑矢印部分)は、細かく縫います。
- ・裏側は、まつり縫いすると良いようです。
※男性は衣紋を抜かないので、縫い糸が見えることはありませんので、ザクザク縫っても大丈夫です。
※半襦袢は手軽に洗えますので、半衿を付けたまま洗う場合(外さない場合)は、全体的にしっかりと細かく縫いましょう。本くけ縫いするとキレイに仕上がります。
半襦袢:半衿付けの際の注意点
◇衿芯を入れる?
一般的に、男性や子どもの襦袢の半衿に「衿芯」を入れることはしませんが、レンタルの「ジュニア用紋付袴」のセット内容を拝見したところ、 衿芯が入っているものがありました。
個人的には衿芯は要らないと思っていますが、もしも入れる場合には、衿芯の幅を考慮して半衿の幅を決めてください。
◇半衿を付ける必要が無い場合。
半襦袢によっては、既に半衿がかかっている状態で出来上がっているものもあるようです。 その場合、半衿の色が着物と合うのであれば、半衿をかける必要はありませんので、 そのまま使用をしてください。(白い半衿付きなど)
ただし、既存の半衿があまりにテカテカ・ペラペラの場合には、上にかぶせて上質な半衿を付けた方が良いと思います。
半襦袢は、本来カジュアル使いするものなので、軽めの半衿になっているようです。 フォーマルシーンで使う場合は、半衿は別途付けてください。
◇半衿の色・素材
黒紋付の場合は白色。 その他の場合は、白のほか、グレーや鉄紺色が礼装・準礼装になります。 女性の場合は、フォーマル向けの刺繍半衿がありますが、男性の場合は基本無地です。
素材は袷(裏地付きの着物)の季節なら、絹・化繊・交織もので、「塩瀬(しおぜ)」と呼ばれる生地の半衿が一般的です。