七五三女児用。扇子(末広)の房紐(飾り紐)が解けたときは?扇子の紐の結び方・直し方
3歳7歳・女児の七五三祝いの晴れ着に使う「扇子(末広)」の飾り紐(房紐)の結び方についてです。
七五三の祝い着で使う扇子(末広)は、通常「筥迫(はこせこ)」とセットになっていて、帯締めに挟んで前帯左側に飾ります。
※撮影着物:らかんスタジオ町田店
3歳の場合、被布を着るのであれば必要無いです。 帯を結んで帯締めをした場合には、7歳・3歳ともに「筥迫+お扇子」を使います。
(※絶対に無いといけないというものではありません。)
レンタル衣装を借りた場合は良いですが、お姉ちゃんが使ったセットを利用する場合や譲っていただいたセットの場合は、扇子の房紐(飾り紐)が解けていたり、形が崩れていたりすることがありますね。
本ページでは、女児の末広の紐が解けてしまった時の「結び直し」の仕方をご紹介させていただきます。
扇子の房紐の吉祥結び。
上の写真は、解けた紐を結び直したものではなく、元々の状態を撮ったものです。 ですので、これが「正しい扇子の飾り結び」であると言って良いかと思います。 他の筥迫セットの扇子も、皆これと同じ結び方になっていました。
さて、この飾り結びは何と言うのか? ネットで調べてみたところ、輪が2つ(上側)は「几帳結び」もしくは「あげ巻き結び(総角結び)」。 輪が4つ(下側)は「梅結び」がとても良く似た結び方であると思いました。
あげ巻き結びと几帳結びは、真ん中の井桁の向きと上下の紐の出方が違います。 この2つの結びの違いについて、詳しく書かれているサイトさんを見つけましたので、詳しく知りたい方は↓こちらでどうぞ。
几帳結びも、本来は井桁が1本紐になるようですが、ワタシはより簡単に結べるようにと2本取りで結んでいます。
そのせいか?裏から見ると、表と違って見えちゃいますが、扇子を挿した状態で そこまで目が行く方はいらっしゃらないように思いますので、「簡単に結び直す」ことを優先させていただきましたこと、ご承知おきください。
■ワタシがご紹介している几帳結びは2本取りです。
2本取りで結ぶ場合には、扇子に紐をつけたままでも結び直しが可能です。 また、懐剣(5歳用)の菊結びの結び方とも同じなので、覚えやすい&覚えておくと便利そうです。
■菊結びは、2本取りの几帳結びから先へ進みます。
より正しい結び方が知りたい方は、「あげ巻き結び」調べていただくか「飾り結び」関連の本を探してみてくださいね。
几帳結びと梅結びを動画で。
■【七五三】扇子(末広)の飾り紐結び方(女児用)
扇子の紐は細くて作業がしにくいので、アイロン台にマチ針でとめながら結びました。 初めに太い紐で練習をして、ある程度手順を覚えてから挑むと楽かと思います。
扇子の飾り紐を結んでみました。
実際に、扇子の紐を結んだ際の様子です。
几帳結び(2本取り)
1:扇子の付け根から、房一つ分のあたりに左右の羽を取る
結び終わった後、上部の紐を長くするのは簡単ですが、下の紐を長くする(飾りを上にあげる)のは大変だったので、最初は上めに結んでください。
2:房紐を右上に上げて輪を作る。
3:右羽を左羽の上へ倒す
4:房の紐を下へおろす
5:最初に作った輪へ左羽を通す
6:左右の羽・上下の紐の長さを整える。
左右の羽の大きさ、上下の紐の長さを調節したら出来上がりです。
梅結び
1:几帳結びの下。房までの長さのバランスを見て、左右の羽を取る
2:右の羽の上に房の紐を上げる
3:右の羽を左の羽の下へおろす
4:左の羽を最初に作った輪へ通す
5:左の羽を最初に作った輪へ通す
6:右の羽を左の羽の下へ倒す
7:左の羽を下ろした房紐の下へ通す
8:マチ針を外して、4つの輪と上下の紐を整える。
紐にくせが付いていて作業しにくい場合には、アイロンを当ててまっすぐすると扱いやすくなります。
扇子の挿し方
帯締めに扇子を挿す前に、飾り紐をくるくると扇子の柄に巻き付けます。 大体「几帳結び(あげ巻き結び)」あたりまで巻いて、羽にひっかけるようにすると収まりが良いです。
巻く方向は、逆時計回り(左上)が良いと思います。
扇子を、少し中央へ先を傾けるようにして、帯締めに挟み込みます。
梅結びが、帯締めの上あたりにくるのが一般的ですが、上の写真のように「扇子に巻いた紐が広がってしまう」のが 気になる場合には、扇子に巻き付ける長さを調節してください。