七五三3歳の着付けに必要なもの。被布セットを使う場合。
3歳女児の七五三祝いの晴れ着には、初着(掛け着)を身上げした一つ身の着物を使うこともありますが、最近では市販の 被布セットをご利用になる方が多いです。 写真館などレンタルする場合も圧倒的に被布セットの祝い着が多いですね。
ただし、被布セットを購入しても、それだけですべてが揃っている訳ではありません。 別途、用意しないといけないものもありますので、ご注意ください。
三歳七五三被布セットの着付けに必要なもの
・3歳被布セットの着物(伊達衿付き)
上の写真↑は、七五三・3歳被布セットについている着物(長着)の例です。
大抵は、腰揚げ・肩揚げ済みで、伊達衿や付け紐が付いているかと思いますが、購入時の状態でお子様にサイズが合うかどうか?はわかりませんので、 必ず事前にサイズ合わせをしてください。
■サイズチェックが必要なのは、裄丈と身丈です。
※長すぎる・短すぎるといった場合は、肩揚げ・腰揚げを調節する必要があります。 調節の仕方は肩揚げ・腰揚げのページに書きます。
だてえりがついていない・他の色に変えたいといった場合には、七五三用の伊達衿が販売されていますので、お買い求めください。
※伊達衿にレース等の飾りを出すのは7歳用です。 3歳さんは衿が少ししか出ないので、飾りが出ません。
・3歳被布セットの長襦袢(半衿付き)
3歳被布セットについている着物用の長襦袢です。 着物に腰揚げや肩揚げがしてある場合には、長襦袢も着物に合わせてあると思います。 つまり、もしも着物の肩揚げや腰揚げを直す必要があるのであれば、当然長襦袢のサイズも直す必要がある訳です。
上の写真の長襦袢は、腰揚げの代わりに裾を大きく上げています。 長襦袢の裾はチラ見えするくらいですので、腰揚げでなく裾で身丈を調節しても 大丈夫です。 やりやすい方で上げてください。
3歳着付けで長襦袢を省く場合。
3歳さんの場合、長襦袢をお持ちでない時や、襦袢と着物の2枚を着せることが難しい等の時には、いっそ長襦袢を省いてしまって 「嘘つき肌襦袢」で済ませてしまうという手もあります。
「嘘つき」というのは、あたかも襦袢を着ているように見えるのに、実はちゃんとした長襦袢は着ていないという着物の着方で、大人の女性が 普段着や街着を着るのによく使う方法です。
大人の場合は「替え袖」と言って、お袖を肌襦袢(または着物のそで付け部分)に縫い付けたりもしますが、単衣時期や夏物でしたら 半襦袢の筒袖のままで着ることもします。
3歳さんの「嘘つき」でしたら、袖は半襦袢のままでも良いかと思います。 本当ならば、着物のお袖に合わせた襦袢の袖が袂の中に入るワケですが、 子供ですしね。 着ていて本人が楽な方を選ぶというのもアリだと、ワタシはそう思います。
「わざわざ嘘つき肌襦袢を買うのもねえ・・・」と思われる場合には、いっそ、着物に半衿を縫い付けちゃって、中に肌襦袢をそのまま着るという 方法もありますけど。 その場合は、半衿がきれいに見えるように縫い付けるのがちょっと難しいと思いますので、着付けに慣れた方にお願いしてみてくださいね。
※長襦袢を省く方法は、あくまで簡易的な着付け方になります。 地域によっては、おかしいと指摘されることもあるかもしれません。 ご両親や婚家のお義母さまに、ご確認なさってくださいね。
3歳長襦袢につける半衿。
3歳被布セットについている長襦袢には、すでに可愛らしい刺繍半衿が付いていることもあるようですが。 もしも付いていない場合には、半衿をかける作業が必要です。 お姉ちゃんやご親戚のお嬢さんが着た衣装を使う場合には、半衿が汚れたままになっているかもしれませんので、その場合も交換(もしくは外してクリーニング)してください。
■半衿を自宅で洗ってみる際の注意点
最近の被布セットの長襦袢は、ポリエステル製がほとんどなので、その場合は自宅でお洗濯することも可能です。 3歳さんの半衿には、三河芯を入れたりはしないので、
外さないでそのまま襦袢と一緒に洗えることが多いです。
3歳被布セットの洗い方はこちら。
七五三3歳被布セット(ポリエステル製)洗い方
※半衿の刺繍によっては、水洗いで刺繍と刺繍の間がつまってしわがよったり、糸が傷んだりするトラブルもありますので、ご心配な場合は外してクリーニング 屋さんに出してください。 古くなった襟垢汚れは、生地自体が変色しているので落ちません。 半衿は購入しても1,000円しないで買えるものが多いので、 クリーニングに出すより買った方が良いかもしれません。
三歳長襦袢の半衿刺繍が出ない時。
七五三3歳用の長襦袢の刺繍半衿。 刺繍が隠れてしまって見えない時の対処方法。 半衿の付け方。
・3歳被布セットの被布
3歳被布セットの被布です。
被布だけで単品での販売もされていますので、身上げした一つ身の着物を使う場合など「着物はあるけど、帯がない」という場合には、 被布をお買求めになることをお勧めします。 帯付きでの着付けは、帯結びをする分着付け時間もかかりますし、着崩れもしやすくなるため、3歳さんには被布を着る方が楽だからです。
帯び付きでの着付は、7歳の七五三祝いや十三参りでもできますし、お衣装さえあればお正月やお節句でも着れますから、3歳では「被布コート」で 装うのも良いと思います。(十三参り用の被布コートというのもありますけど。)
3歳被布コートの被布飾り。
被布コートの胸についている「被布飾り」はいろいろなタイプがありますが、上の写真の被布コートは、紅白の房が下がるタイプの被布飾りです。
購入時はキレイにテープで巻かれていたはずなのですが、いつの間にか片方外れてしまったようで、房がモソモソになってしまっていました。
せっかくの晴れ着なのに、胸元の房がモソモソなのは残念なので「帯締めの房の直し方」をアレンジして、ちょっと自分で直してみました。
被布飾りの房の整え方については、こちらのページでどうぞ。
被布飾り・房飾りの整え方。
七五三3歳用被布の房飾りがボサボサになった時は? 被布飾り・房飾りの整え方。
前撮りや宮参りでの使用が終わったあとは、ラップや薄紙で包んでボサボサにならないようにしてください。
万一、どうにも修復不可能なくらいにグチャグチャになってしまった場合や、房が片方無くなってしまった時には、単品売りされていますので、付け替えて あげてください。
3歳被布セットの草履
3歳七五三の被布セットには、着物に合わせたお草履がセットされていることが多いです。 台はエナメルであったり、布製であったりしますが、 もちろんどちらでも構いません。 若干、エナメル台の方が汚れが落としやすかったりはしますので、妹さんがいるなど何度も使う予定がある場合には、購入時に草履の台も 気にしておかれると良いかと思います。
本ページでご紹介している被布セットのお草履はエナメル台でした。 ふっくらとした鼻緒がかわいいですね。
使用後は、底裏の泥を払って(場合によっては濡らした雑巾で良く拭いて)、台の汚れは乾いた布で拭いて落とします。 しばらく置いて底を十分に乾かしてから、箱に入れてしまってください。
・3歳被布セットの巾着袋
3歳七五三の被布セットには、着物に合わせた巾着袋もセットされています。 着物か被布コートと同柄であることが多いようです。
もちろん、お揃いの巾着袋でないといけないということはありませんし、3歳用のハンドバッグがあればバッグでも構いません。
巾着にせよバッグにせよ、無理に持たせる必要はないと思います。 お宮参りで千歳飴の袋をを持つ場合には、巾着が邪魔になったりすることもありますので。
ただし、写真館などで記念写真を撮る場合には、バランスよくポージングしてもらうために、持たせることが多いです。 巾着袋がふっくらと可愛く見えるように中に詰め物をして、千歳飴と一緒に両手で持つようなポーズが人気です。
もしも巾着袋をお持ちでない場合には、その場だけなら無料でお借りできることも多いと思いますので、お尋ねになってみてくださいね。
3歳巾着袋の紐の結び方。
巾着袋を持たせる時には、紐を蝶々結びに結わって、左右の輪の部分を目いっぱい長くして、TOPの部分を持つようにします。
3歳用の足袋
子供用の足袋は、被布セットには付いてないことの方が多いように思います。無い場合には、買ってください。
「衛生用の理由」とやらで、レンタルセットの場合でも足袋は「買ってください」と言われるようになりました。 以前は「セットに含まれて いた」んですけどね。
購入される場合には、履き込み口がゴムになっている靴下タイプのものが良いです。 生地自体にストレッチ性がありますので、履き心地も良いと思います。
礼装として履く場合の足袋の色は「白」になります。 七五三の場合は、本人が主役ですので、ワンポイントの刺繍足袋や薄いカラーのものでも良いと思います。
アンティーク調でまとめる時など、例外はありますが、基本的に総柄の足袋はカジュアル用なので、普通のお祝い着には避けた方が無難であると思います。
3歳用の肌着(肌襦袢と裾除け)
写真館や美容院にお着付けをお願いする場合に、「持ち物リスト」に肌襦袢や裾除けと書かれていることがありますが、 普通の肌着で代用できると思いますので、お持ちでない場合にはお尋ねになってみてください。
とくに「裾除け(すそよけ)=腰巻(こしまき)」は、歩きにくくなってしまうので、3歳で巻くことはあまり無いです。 お宮参りの際に、 足元の寒さが気になる場合には、スパッツのようなものをはかせておくと良いですね。
正絹のお着物や襦袢を着る場合には、着物(襦袢)の汚れを軽減させるという意味で、裾除けがあった方が良い場合もあります。
ただし、その場合も見えるものではありませんので、、お子さん用のスリップやペチコートでの代用は可能と思います。
肌襦袢は、防寒や補整のためにタンクトップやキャミソールの上に着せることが多いですが、絶対に無いと困るものでもありません。
肌襦袢を使わない場合には、半袖や七分袖の肌着で代用してください。
3歳さんの場合には、あまり心配ないのですけど。 Tシャツのように衿元が詰まっている肌着ですと、衿から肌着が見えてしまうこともあるので、 できれば少し衿ぐりの広いものを選ばれることをお勧めします。
髪の毛のセットをした後は、「かぶり」タイプの衣類の着替えはできませんので、あらかじめ着ておくようにしてください。
子供用の腰紐
3歳の七五三用の着物の着付に、腰紐を何本使うかは、付け紐が付いているか? 腰揚げが上がっているか?によって変わってきます。
仮に、着物も長襦袢も「付け紐と腰揚げ」がしてあるという場合でしたら、あとは伊達締め1本あれば大丈夫です。 補整用のタオルを押さえるために、 腰紐も1本くらいはあると良いかな?とは思いますが、あえて買う必要はないですね。 タオル用なら、大人の腰ひもでもOKです。
■付け紐付き・腰揚げ付きの着物の例
※長襦袢は腰揚げでなく裾上げでも可
ただし、写真館で前撮りをする場合には、着物の腰上げは下ろしてしまう(糸をほどいてしまう)ことが多いです。 裾線の位置が バッチリの着丈に縫い上がっていることはすっごく稀で、大抵は短かったり・長すぎちゃったり、前と後ろの丈のバランスがよくなかったりするからです。
縫い上げてある腰揚げ済みの着物で、美しい裾線を出すための長さの調節をするのは難しいので、腰紐を使う着付けをします。 お出かけ当日のご撮影の場合には、写真映えより「着心地・着崩れしないことを重視」して、解かないで撮っちゃうかなと思いますけど。
また、着物の付け紐の位置が高すぎちゃって、被布コートから見えちゃうような場合にも、付け紐が解かれるかと思いますので、ご自身で付け紐を付ける 場合にはご注意ください。
■下の写真は付け紐が見えている訳ではありませんが、イメージ画像として載せておきます。
タオル用(補整) | 1本 |
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長襦袢用 | ※長襦袢は、腰揚げ(裾上げ)ありが前提。 付け紐あり・・・腰紐0本 付け紐なし・・・腰紐1本(コーリンベルトでも可) |
着物用 | 付け紐あり・腰揚げあり・・・腰紐0本。 付け紐あり・腰揚げなし・・・腰紐1本。 付け紐なし・。腰揚げなし・・・腰紐2本。(内1本は伊達締めでも可) |
★腰紐は状況によって、1~4本程度必要ということになりますね。
なお、大人用の腰ひもと子供用の腰ひもでは、太さも長さも違いますので、ご注意ください。
大は小を兼ねるで、大人用で代用できなくもないですが、大人の紐では長すぎちゃって、着付けがしにくいというのは事実です. 浴衣やお正月のウールの着物にも使えますので、無い場合は購入されても良いと思います。 楽天市場で200円台でいろいろあります。
※付け紐として縫い付けてしまうのであれば、包帯を使うと便利です。
⇒(参考)包帯を使った付け紐について
・三尺(兵児帯)または伊達締め
三尺というのは、浴衣で使う兵児帯のことです。
被布を脱がなければ見えないものなので、レンタルセットにも入っていないことが多いのですが、三尺を背中でリボン結び(写真はリボン返し)にしておくと、被布コートを 着た時に、背中がふっくらと膨らんで可愛らしく見えます。
※三尺の結び方は、別ページに書きます。
三尺を締めない時は、可愛らしい柄の子供用の伊達締めで後リボンに結ぶと良いです。
その際、伊達締めの下にある付け紐が見えやすいので、その点はご了承ください。
被布コートを脱がない(もしくは、兵児帯がなくても気にしない)場合には、マジックテープタイプの伊達締めを使うと便利です。
3歳用の髪飾り
三歳用の七五三・被布セットを購入すると、パッチン留めタイプの髪飾りがセットされていることが多いですが、この髪飾りを使う方って、 案外少ないような気がします。
※最近では、今風の「しゃれた髪飾り」が入っていることもあるようですけど。
もしも、別の髪飾りを買い足す場合には、3歳さん用の小ぶりのセットを選んでください。
7歳さん用の「日本髪用3点セット」では大きすぎてしまいますが、7歳用をお持ちの場合は「前挿しだけ使うこともできる」かと 思いますので、美容師さんに相談してみてくださいね。
補整用のタオル
着付け用に「タオルを持ってきてください」と言われた場合には、高級でフカフカのタオルではなく、お年賀や粗品で いただけるような、シンプルで薄めのタオルを用意されるのが良いと思います。
3歳さんの場合には、縦半分に折って・お腹を真ん中にして、背中でタオルの端を2枚合わせて使うことが多いです。
あまり厚手のタオルですと、お腹がモコモコになっちゃいますので、薄手のものを2~3枚お持ちになることをお勧めします。
補整の仕方や着付けの仕方は、着付け師さんによって異なります。 着付けをお願いする場合には、先方の指示に従ってくださいね。
三歳被布セット・自宅で洗う場合。
七五三3歳用の被布セット(ポリエステル)を自宅洗う場合の洗い方と注意点。 リサイクル着物を買った・もらった際や、ご使用後に仕舞う前にお手入れしましょう。