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付け下げ訪問着の着物。友禅染め・椿と桜柄の着物
付け下げ訪問着は、衽~上前の身頃や上前~後身頃など「縫い目をまたいで柄を入れた」付け下げ着物で、 訪問着に近い模様付けの付け下げです。
◆付け下げ訪問着。 友禅染の着物の例
付け下げ訪問着は、紋が無くても略礼装としてお祝いの席や式典にも着られますが、華やか系とあっさり系では着るシーンが少し違ってきます。
- 華やか系=結婚披露宴や豪華なパーティに。
- あっさり系=お子さんの卒入学の付き添いやお茶席、軽めのパーティなどに。
着物の持つ雰囲気だけでなく、帯や小物とのトータルコーディネートで決めてください。
七五三やお宮参りは、神様へのご挨拶なので、華やかに装っても(お子さんよりも目立たない程度に)良いそうです。
友禅の付け下げ訪問着-着用シーンの例
本ページの付け下げ訪問着には、紋は入っていません。 準礼装とまではいきませんが、紋なしでも略礼装としては使えます。
ワタシは先日、ウェディング会場で開催されたコスメのレセプションパーティに着ていきました。 平服OKのパーティだとちょっと浮くかもしれないですけど、 華やかな雰囲気の場には良く馴染みます。
開催者側の皆さんがきちんとした装いをされるようでしたら、セミフォーマルの着物でも変ではないと思いますが、会場の雰囲気によっては 「なんか勘違いしてる?」みたいになってしまうため、着て行く先の場所はよく確認されることをおすすめします。
本記事でご紹介している付け下げは友禅染ですが、金銀使いがほとんどなくて色も地味めなので、わりとあっさり系の付け下げ訪問着かと思っています。
辻が花模様の付け下げよりは、友禅染の方が格は上だと言われています。 華やかさと格は別のお話で、華やかだから格が高いということにはなりません。 また、高価だから格が上ということもないです。
締める帯で格を上下することは可能ですが、小物は「きちんと感」や「華やかさ」の演出に他ならないので、格を左右することはないそうです。
付け下げ訪問着-友禅の柄と季節
こちらの付け下げ訪問着の裾模様は、椿(山茶花)・桜・菊などの花が描かれているので、袷の時期なら季節を限定せずに着れる着物かと思います。
■付け下げ訪問着の柄
パット見では前巾の山茶花(椿)と菊のイメージが強いので、秋っぽく感じますが、肩に入っているのは「桜」であると思うので、卒入学式にも着れそうですが、 お若い方には色合い的に地味かもしれません。
椿と桜は、友禅ではよくある柄です。 本着物は、手描き友禅と聞いていますが、100%手描きではないと思います。 リサイクル品ですが、意外とお安く買えました。
訪問着ではなく、付け下げ訪問着と思う理由。
訪問着か?付け下げか?明確に区別する必要はないと思いますが。
着物をご紹介するにあたって、本着物は柄ゆきがあっさりしていて、後身頃に柄が繋がっていませんし。 共八掛に柄もないので、付け下げ訪問着として書かせていただきました。
掛衿には合口があって柄も入っておりますが、訪問着とするには少し軽いかな?と思う着物です。
付け下げ訪問着に締める帯は、フォーマル向けの折り袋帯が最適と思いますが、色柄によっては「織りの九寸名古屋帯」でも良さそうです。
ワタシは今回、落ち着いた色めのフォーマル用袋帯を締めてみました。
付け下げ訪問着に着たコート。
この日は、1月24日で寒い日でしたので、上着は「アゲハラのベルベットコート」に「ファーのショール」を使いました。
(参考)AGEHARA(アゲハラ) ベルベット ロング 着物コート
ずいぶん前に、息子の卒業式用にと買ったコートですが、ベルベットの防寒コートは、紬・小紋などのカジュアル着物から訪問着・付け下げといった礼装用の 着物まで使えますので、1枚あると便利です。 スレに弱く・ゴミが付くと目立ちますが、光沢感があって華やかですし、とても暖かいのでおすすめです。