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付け下げの着物。一つ紋と季節の柄。
縫い陰一つ紋の入った付け下げ訪問着の着物です。 訪問着に近い柄付けで1つ紋入りですので、・略礼装として着れる着物と思います。
本ページでは、付け下げと訪問着の間の着物として「付け下げ訪問着」と書かせていただきますね。
◆付け下げ訪問着。 縫い陰一つ紋の例
最近では、付け下げ訪問着に紋を入れることは少なくなっていて、無紋で仕立てる方が多いそうですけど。 こちらの付け下げ訪問着は、背に「縫いの陰紋」が1つ入っています。
上の写真の着物の場合、裾模様の柄が季節を表しているので、10月11月の着物かと思います。
付け下げの着物に入れる紋
訪問着と見分けがつかないような華やかな「付け下げ訪問着」は別として、あっさりした柄の付け下げ着物には、紋は入れないことが多いです。 名古屋帯を締めれば、街着としても使えるからです。
控えめな柄の付け下げでも、紋を入れると格が上がって、あらたまったシーンで着る着物になってしまうため、あえて格を上げる必要はないということだと思います。
本記事でご紹介している付け下げは、色や裾模様の感じからして街着で着るには向かない雰囲気がありますので、あえて1つ紋を入れることで、 略礼装として堂々と着れるようにしたのだろうと思いました。
※帯は締めていませんが、着用した際のイメージでご覧ください。
※リサイクル着物として購入しましたが、購入後1度も袖を通しておりません。 ご希望でしたら、お安くお譲りいたしますので、お問い合わせよりメッセージをお願いいたします。
「もしかしたら訪問着の着物かしら?」と思わなくもないですが、裾回し(八掛)がぼかしですし、裾模様がすべて繋がって いるわけでもないので、付け下げの部類だろうと思います。
付け下げに紋を入れる場合は、染め抜き陰紋か縫い紋にするのが相応しいそうです。 下の写真は、縫い陰紋になります。
紋の格については別ページで書きたいと思いますが、陰紋も縫い紋も「略式の紋」なので、紋としての格はそう高くはありません。
ということで、この付け下げ訪問着を着る場合には、「式典のようなきちんとした場でも、ちょっと控えめに装いたい」というような シーンが良いのではないかと思っています。
例えば、友人の結婚披露宴・お茶席・パーティなどで、別の方を主役として、自分は引き立てる側に回りたい時など。 帯や小物を上品で控えめなものにすれば、七五三やお宮参りのママでも良いと思いますが、若い方向けですね。
くすんだ色目で落ち着いた柄ではありますが、朱色なので。 祝事付き添いの場合には、地味目なコーディネートをお勧めします。
付け下げ訪問着。裾模様の季節
通常、付け下げや訪問着の裾模様は、季節を限定せずに着れるようにと、四季折々の草花を入れることが多いのですけど。
この1つ紋入りの付け下げには、どう見ても「秋の草花」しか見当たらないような気がするのですが、いかがでしょうか?
■付け下げ訪問着の柄
笹は通年モチーフかもしれないですけど、菊・萩・ススキ・桔梗・紅葉など。 ここに、梅や桜、 牡丹や藤が入ってくれば、季節を着にせずに袷の時期ならいつでも着れる着物になるのですけど。
どうやら「季節を大事にするお茶会用にとお誂えされたお着物」なのかもしれないですね。
着用時期は10月・11月あたりに限定した方がよさそうなので、お子様行事の付き添いと言っても、 七五三や秋口のお宮参りだったら良いと思いますが、卒業式や入学式には着れません。 季節限定柄のお着物は、とても贅沢なお着物と言って良いと思います。