コーリンベルト(着物ベルト)とは? 使い方と使わない場合など。

コーリンベルト(着物ベルト)とは?着物の着付けに使う和装小物コーリンベルトについて。

着物の着付「準備リスト」に書かれていることが多い「コーリンベルト」ってどんなもの?
コーリンって何?いる・いらない?使い方は?…など、コーリンベルトのお話です。 


 


 

コーリンベルト(着物ベルト)ってどんなもの?

コーリンベルトは、着物の着付けで使う和装小物の一つです。

長襦袢や着物の衿や折り上げたおはしょりを押さえて(固定)着崩れしにくくしたり、着付け自体を 楽にできるように補助する役目をしてくれます。

幅2センチほどの平ゴムの両端に、衿を挟むクリップがついているものを総じて「コーリンベルト」と呼ぶことが多いですが、 実際は「コーリン株式会社さんの着物ベルト」がコーリンベルトであり、商標登録されています。 

■コーリンベルトの商標
コーリンベルト

※コーリンベルト社製であっても、商標の入っていないコーリンベルト(エコノミータイプ)もあります。

なので、細かいことを言えば「コーリン株式会社」さん以外の類似商品は、着物ベルト・着付けベルトなどと呼ぶべきなのだと思いますが、そうなると 「ウエストベルト(腰ひもがわりのゴムベルト)と区別が曖昧になってわかりにくいからでしょうか。 商標があっても無くても、コーリンベルトと呼んでしまうことが多いようです。

本ページでは、コリンベルト社製以外の類似ベルトも総じて「コーリンベルト」と書かせていただきます。

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コーリンベルト(着物ベルト)は必要なのか? 使う時と使わない時。

コーリンベルトが考案されたのは、昭和20年代後半ということなので、割と新しい着付け小物と言って良いですね。 ワタシが着付け教室に通い始めた30年前(1987年頃)には すでに結構普及していましたが、コーリンベルトが登場する前は、腰紐を使って衿やおはしょりを押さえていたそうです。

つまりコーリンベルトは、必ずしも必要な和装小物ではありません。 流派によっては「コーリンベルト」を使わずに、腰ひもで着付けることもあるようですし、 ご年配の着付師さんは「コーリンベルトを使うより、紐を使った方が着付けがしやすい。」とおっしゃる方も多いです。

逆に、最初からコーリンベルトを使っての着付けに慣れてしまうと、無いととても不便に感じてしまうものでもあります。(ワタシはこっち)

また、着物によっても「コーリンベルトのいる・いらない」は変わってきます。 浴衣のように薄くてすべらない生地の着物であれば、コーリンベルトで押さえなくても着付けしやすいため、 無理に使う必要はありませんけど。 着丈が長くておはしょりの始末がしにくいとか、伊達衿を2~3枚入れる等して衿にボリュームがあるような場合には、コーリンベルトがあった方が 着付けがスムーズにできるだろうと思います。

■コーリンベルトを使った方が良いと思うケース

  • ・自分で着る場合。(コーリンベルトを使い慣れている人、または初心者)
  • ・おはしょりが長い。(始末しにくい)
  • ・着物がすべる。衿がもさつく。
  • ・伊達衿が多い・厚い。
  • ・腰ひもが足りない・使いにくい紐が含まれる場合。

※コーリンベルトが必要か否か?は、ケースバイケースです。
  着付師さんや着物によります。

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コーリンベルトの種類

コーリンベルトにはいろいろなタイプがあります。 例えば、コウリンベルト社製のもので長襦袢用の「結び」ですとか、メッシュベルト仕様の夏向けですとか、後ろで交差させて 前で留める「和装じめ」という商品もあります。 どれも同じ目的で使うものなので、一人1~2個あれば十分です。

■長襦袢用の結び

■夏に最適なメッシュタイプ

■NEW!和装じめ

コーリンベルト社製以外のものでは、クリップ部分が金具になっているものが多いですね。

■クリップが金具のタイプ(着物ベルト・着付けベルト)
着物ベルト

伊達締めと一緒になったものもあります。

■コーリンベルトを兼ねているタイプ(クリップ付)の伊達締め。

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コーリンベルトの名前の由来

「コーリンベルトのコーリンってなんだろう?」と思って調べてみて、開発者のお名前が由来していることがわかりました。 
開発者とは、コーリン株式会社の創業者である「高林三郎」さんです。 

たぶんお名前自体は「たかばやし」さんとお読みするのだと思いますが、「高林」と書いてコーリンなんですね。 「高林三郎」さんは、全国きもの指導者協会の創始者でもいらっしゃるとのことで、 着物がより楽に着れるように・・・と、開発された商品だそうです。

コーリンベルトの例

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コーリンベルトの使い方

前置きが長くなりましたが、コーリンベルトの使い方についてです。 本来は着物に使う着付け小物と思いますが、長襦袢にも使われる方もいらっしゃいます。  見えるものではありませんので、ご自身が使いやすい・結果的にキレイに見える使い方をなさってください。

コーリンベルトのゴムの長さ

■ゴムの長さ=わきの下あたりの位置で、胸幅くらいが目安です。
コーリンベルトゴムの長さ

※コーリンベルトゴムの長さは、ゴムの伸縮性や着物を着る方の体型によっても変わります。後から調節してください。

コーリンベルトのクリップの順番

■一重側を先に留めます。
コーリンベルトのクリップ順番
コーリンベルトのクリップの順番2

※下前に一重側のクリップを留めます。上前に二重になったゴムがくるようにしておくと、後から長さを変えられます。

コーリンベルトのクリップの開閉

■クリップ部分の開閉は、「付け根部分をカチっと前に押し倒すと開く・もとに戻すと閉まる」というように行います。
クリップの開閉

※本家コーリンベルトのプラスチックタイプも、金具タイプも、基本的には同じ動作で開閉します。

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長襦袢にコーリンベルトを使う

長襦袢にコーリンベルトを使う場合、衿合わせを整えるために使います。

1:衿を決めたら、アンダーバストのあたりの位置でコーリンベルトのクリップを留めます。

コーリンベルト長襦袢

※あまり下過ぎても上過ぎても良くないです。 着物を着る際の「胸紐の位置」が良いと思います。

2:身八つ口からコーリンベルトを出して、背中を回して右脇まで持ってきたら上前の衿を留めます。

コーリンベルト長襦袢

後ろを見るとこんな感じです。

コーリンベルト長襦袢の背中

※背縫いがまっすぐになるように&背中のシワを取ります。 長襦袢の丈が良ければ、このまま伊達締めをしめて衿を固定してください。

コーリンベルトの後の伊達締め

※長襦袢が長い時は、腰ひもを1本かけてから伊達締めをします。  コーリンベルトのゴムがキツイ(緩すぎる)場合には、伊達締めを締める前に調節してください。

■以下は「伊達締めについて」で使った写真ですけど、ご参考まで

伊達締めを締める前には、袖付けを前後合わせて。 背中のたるみを脇に寄せて、タックを取っておくとキレイに仕上がります。

伊達締めの前に

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着物にコーリンベルトを使う

着物にコーリンベルトを使う際には、衿合わせを固定すると同時に、おはしょりを上げて押さえるため使います。

着物ベルト

1:腰ひもを締めたら、衿を決めつつ下前のおはしょりを折り上げてクリップを留める。

コーリンベルトを着物に使う

■おはしょりをたたむ前を別のアングルで。

コーリンベルトの使い方

※あまり下過ぎても上過ぎても良くないですが、長襦袢よりは下になります。

2:身八つ口から背中へ回して、右脇から上前の衿にクリップを留める。

コーリンベルトの使い方3

※背縫いをまっすぐにして、背中のシワを取ってください。

おはしょりを持ち上げる必要がない場合には、この後身八つ口を整えて伊達締めをしまめすが、上前のおはしょりを上げる場合には胸紐をかけます。 衿が 動かないようにするためです。 胸紐をかけると、身八つ口も整えやすくなります。

胸紐
着物のむなひも


 

背中は、胸紐とコーリンベルトの間から、おはしょりの余分を引き出しておくと、後で衣紋を抜くときに便利です。

後のおはしょり

※おはしょりの余分は、胸紐とコーリンベルトの間から出して下に倒す。

衣紋抜き

コーリンベルトはゴムなので伸び縮みしますから、おはしょりを上げる処理が楽にできます。

コーリンベルトでおはしょりを上げる

長襦袢の時と同様に、身八つ口を揃えて脇でタックを取ったら伊達締めをかけます。 伊達締めをかけたら胸紐は外しても構いませんが、 外すことで衿に響くようなら、そのまま締めたままにしてください。

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袂クリップとしてコーリンベルトを使う。

あまり一般的な使い方ではありませんが、着物を着てしまってから、コーリンベルトを「袂クリップ」として使うというのもアリです。 
左右の袂をフリの方からクリップで留めて、ゴムは背中へ渡しておきます。 帯をお太鼓に締めている場合には、お太鼓の中を通しても良いです。

そのまま外を歩いたりはしませんが、家事をしたり食事をしたりする場合に、袖を汚さない・邪魔にならないようにするために使います。

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コーリンベルトを使わない場合。

着付師が前・後の二人組で着付ける場合には、コーリンベルトを使わないことはよくあります。 その場合は、後ろの着付師が身八つ口から手を入れて、 コーリンベルトのクリップで押さえる位置を指で挟んで持ちますので、そのまま胸紐をかけて伊達締めへ・・・と進みます。(身八つ口から入れた手は、紐をかけるタイミングで抜きます。)

一人で着付ける・自分で着る場合でも、衿合わせと下前のおはしょりがスムーズにできるのであれば、そのまま胸紐をかけて構いません。 仮押さえしたい場合には、以下のように 下前を腰ひもで押さえるというやり方もあります。

コーリンベルトの代わりに腰ひもを使う場合の一例。

腰ひもを締めて、下前のおはしょりを折り上げて衿を決めたら、まず腰ひもの中心を当てて衿とおはしょりを押さえます。 腰ひもは身八つ口から出して背中で交差して前に回します。

腰紐でおはしょり2
腰紐でおはしょりを上げる

上前の衿も整えて、前で紐を刈り結びします。

かり紐の胸紐

背中のシワを取り、背縫いの位置を確かめ、身八つ口を整えたら、前で胸紐を締め直してください。

胸紐かけた後の背中

必要があれば上前・後側のおはしょりも上げ、伊達締めで固定します。

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コーリンベルトが壊れたら。代用品はある?

コーリンベルトは消耗品です。 長く・何度も使っていると、クリップの開閉部分が壊れて開かなくなるといった不具合が起こることが多いです。

コーリンベルトの破損

両端のクリップが2つ同時に壊れることはほとんど無いので、どちらか一方が壊れたコーリンベルトは、捨てずに保管しておきましょう。 それとは別のコーリンベルトが壊れた場合に、 使える方のクリップをすげ変えればよいからです。(片側壊れた2本のコーリンベルトで、使える1つのベルトを作る。)

コーリン株式会社さんは、j-senクリップという世界特許のある和装用以外のクリップも製造販売されていますので、例えばサスペンダー・名刺ホルダー・ エプロンクリップ等に使われている、類似のクリップを代用品ですげ変えるのもありとは思いますが、やはり着物用コーリンベルトのクリップと比べてしまうと、 使い勝手が悪いでしょうね。

ワタシは以前、コーリン株式会社さんのものではありませんが、サスペンダーの金具を壊れたコーリンクリップと付け替えて使ったことがありますが、「これなら 紐でやった方が良いじゃん」と思ったくらいに挟みにくくて、全然役に立たなかったという経験があります。

形状や素材によっては、着物を傷つけてしまう恐れもあるので、むやみに代用のクリップを使うことはおすすめしません。

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100均でコーリンベルトは買える?

コーリンベルトが100均で売られているのは見たことがありません。 コーリン社製の商標入りタイプ(DX)であっても1つ1000円しませんし、商標の無いエコノミータイプであれば、 400円前後で買えるようなので、初めから楽天市場やamazonで新品を買ってしまう方が楽ですね。 メルカリやヤフオクで探したとしても、単品ではあまりウマ味が無いような気がします。 

どうしても安く手に入れたい場合は、骨董市やリサイクルショップで探すという手もありますが、中古は壊れやすいかも?という心配がありますし、 そもそも探す手間がかかります。 『何かのついでに良いものを見つけたら買っておく』というのはおすすめですけど。
着物ベルトとして、浴衣やふりそでセットに入っていることが多いので、余っているものがないか?お友達に聞いてみるのが良いかもしれないですね。

ちなみにワタシは、クリップの開閉部分が大きく開くものの方が挟みやすく・使いやすいので好きです。 本家のコーリンベルトは、やはり使い勝手が良いと思います。

コーリンベルト

耐久性・コスパで言えば金属製タイプかと思いますが、コーリンベルトは「着付けを楽に・キレイに仕上げる」ために使う和装小物でありますので、そのあたりは悩ましいところですね。

長く何度も使うのであれば、使いやすい本家のものを・・・と思いますケド。 振袖や浴衣に1~2回しか使わないのであれば、市販品の着物ベルトならなんでも良いと思います。

冒頭に書いた通り、コーリンベルトは絶対に使わないといけないものではないので、無理に揃える必要はありません。

本ページで使用している着物と長襦袢について。

※本ページで使用している長襦袢は「絽の長襦袢」です。 盛夏・単衣時期に着る襦袢です。

※本ページで使用している着物は「単衣の1つ紋付色無地の着物」です。 単衣時期とは、6月9月です。 色無地に1つ紋が付いたことで準フォーマルとして使えますし、 帯で多少格を上下できるため、便利な着物であると思います。 お茶席でもよく用いられる着物です。 写真のものは化繊ですが、正絹でも化繊でも格は同じ扱いになります。

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