綴織(つづれおり)とは。本綴、爪綴れ(爪搔き本綴れ)の帯|お祝いの着物

綴織(つづれおり)の帯。本綴れ・爪綴・爪搔き本綴れについて。

手織りの最高峰と言われる「つづれ織り」。 爪の先を鋸のようなギザギザに作って、緯糸をかき寄せて折る本綴れを「爪綴・爪搔き本綴れ」と呼びます。 


 

綴れ織りについて

つづれ織りとは

織物の最高峰と言われる「つづれ織り」。

つづれ・綴れ織り・綴錦などとも呼ばれる「平織り」の織物です。

つづれ織りの歴史

模様を織り出す技法としては最古の技法で、世界各地で織られてきました。

◆世界各地のつづれ織り

  • ・エジプト:コプト織り
  • ・ヨーロッパ:ゴブラン織り
  • ・南米アンデス:インカ織り
  • ・中国:剋糸(こくし)織り
  • ・中国:明綴れ

日本では平安時代から織り始められたそうですが、本格的に国内で生産されるようになったのは、江戸時代になってからだそうです。

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つづれ織りの特徴

綴織は、経糸(たていと)が表面に出ることがなく、裏地にも表と逆の模様が出るという特徴があります。

綴れ織りの特徴

例えば下の写真は西陣織の帯ですが、裏には模様を織り出すための「絵緯(別種の色糸や金・銀糸など)」が渡っていますけど。  綴織りの場合は、表地の「地緯(じよこ・地組織の緯糸)」も裏には出ません。

西陣織

綴織は、経糸の下に「織り下絵」を置いて、下絵に合わせて織り手が緯糸を折り返すようにして、織って行きます。 この際、経糸を包み込むようにして緯糸を寄せて、模様を表していくからです。

綴れ織りの様子
※撮影協力: じゅらくさん、 自由が丘まるやま町田店さん

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爪綴(つめつづれ)

上の写真では、「催事」で商品を扱われるということで、爪をギザギザにすることなく、櫛で緯糸を寄せていますが。 

本綴・爪綴・爪搔き本綴れなどと呼ばれるものは、爪をやすりで鋸状に削ってギザギザにして、緯糸を爪で寄せて織られています。

爪搔き


 

把釣孔(はつりこう)とは?

綴織でできる「模様と模様の境目にできる隙間」のことを、把釣孔と言います。

把釣孔

経糸を包むように緯糸を折り返して模様を作るため、経糸に沿ってかすかな隙間ができるのです。


 

本綴は名古屋帯でも留袖に締められる?

本綴の帯は、模様の色ごとに少しづつ少しづつ織り上げていくため、細かい模様であればあるほど、色数が多ければ多いほど、時間をかけて織り上げなければいけません。
下絵を見ながら、職人さんの技術で模様を織り出さねばなりませんし、模様によっては一日数センチか織れないものもあるそうです。

そのためか、昔の綴帯は「八寸名古屋帯(かがり帯)」のものが多く、金糸銀糸を使用したフォーマル感のある帯ならば、名古屋でも留袖に締めて良いとされていました。  経糸が太くて、バリっと硬い質感の帯であったことも、一重太鼓に結ぶかがりの名古屋帯とした理由の1つかもしれませんね。

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現代の綴帯

先日、じゅらくさんに見せていただいた綴帯は、骨董市で良く見かける「バリバリと硬い本綴」とは違って、大変しなやかな帯でした。 

まるで絵画のように美しく繊細な「風神・雷神・富士山・しだれ桜」といった超高級品の帯もあれば。

じゅらくの帯


 

猫ちゃんや楽器をモチーフにしたような、今風のポップな柄の帯もありましたので、びっくりしました。

どちらも仕立ては、無地の綴帯を裏地として「袋帯」にするそうです。 ポップなデザインの帯であれば、洒落袋となりますね。

価格の方も、ウン百万円もするような帯から数万円~数十万円といった帯までいろいろでしたので、本綴の帯は「めっちゃ高い」と思っていたワタシは「へぇ~♪」と思いました。

留袖や色留袖に締めるのであれば、重厚感のある格の高い綴帯が良いと思いますが。  グラデーションカラーや抽象柄、今風のお太鼓柄の洒落袋帯なら、小紋や紬にも良く合います。

「本綴の名古屋帯は、礼装にも使用できる。」と前述しましたが、最近では「袋帯」に仕立てますので、二重太鼓に締めるそうです。

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